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(回答先: 米FRB議長「大きなリスク直面」〜追加利下げの観測高まる〔産経新聞〕 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 1 月 13 日 00:14:36)
グリーンスパン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は11日、米国の経済動向について、「最近の兆候はまちまちになってきたが、短期的には引き続き重大な(景気下振れ)リスクに直面していることを強調したい」と述べ、今月末の連邦公開市場委員会(FOMC)で、追加利下げする姿勢を示唆した。サンフランシスコの会議で講演した。
利下げが実施されれば、昨年1月から始まった今回の利下げ局面で12度目となり、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は0.25ポイント引き下げられ1.5%に設定される可能性が高い。
同議長は米景気見通しについて、「最近の良好な展開が継続し、さらに勢いを増せば、不確実性は薄れ、リスク・プレミアムも低下、設備投資のペースも強まるだろう」と言明。基本的には景気回復への動きが本格化していくとみている。その一方、議長は「内外経済活動を抑制している要因が後退し、安定的な回復基調に乗ると結論するのは時期尚早」とも語り、慎重な姿勢を示した。
家計支出にも下振れリスク
グリーンスパン議長は、市場参加者の間に金融緩和期待を醸成することで、景気回復の芽を確実に育てたい意向とみられる。グリーンスパン議長は、景気回復に至る過程で直面する重大なリスクについて、「企業収益と設備投資は引き続き軟弱で、また家計支出も、金利の反転や失業への不安、過去2年間にわたる株価下落によって抑制されかねない」と指摘した。
米国では、既存住宅市場が有効に機能している。長期金利が低下し、住宅ローン金利の下落につながると、借り換えが急増、個人のローン負担が急減する仕組みになっている。昨年秋には長期金利の低下で、ローン借り換えが急増、消費者の購買力が高まった。
同議長は、この日の講演のなかで、具体的な数字を挙げ、住宅ローン借り換えに伴う消費者の資金創造が昨年第3四半期に年率約750億ドル(約10兆円)と、2000年初めの同200億ドルから4倍近くに膨れ上がったことを説明した。議長は、このところの長期金利上昇で、この住宅ローン借り換えが細ってきたことを個人消費後退へのリスク要因のひとつと指摘した。
利下げ後も景気の弱さに配慮し「緩和方向」継続か
一方向の景気回復期待は長期金利を上昇させ、景気回復への芽を摘んでしまう恐れもある。そこで、議長は景気回復を阻害するリスクを強調することで、市場金利の低下を促したものとみられる。堅調な個人消費や製造業生産の底打ちの兆候を背景に、金融市場では一部に今月末のFOMCでは金利据え置きとの見方も台頭していただけに、議長は景気下振れリスクを強調することで、金融緩和の余地があることを示した。
グリーンスパン議長は景気下振れリスクを強調する一方で、「景気安定への兆候は非常に頻繁に現れるようになってきた」と述べ、景気回復への土台が形成されつつあるとの認識を明確にした。議長は特に、「多くの産業で、在庫が急速に削り込まれてきたため、そろそろ削減をやめねばならない水準まで低下してきた」と指摘。在庫調整の進展で景気反転への手掛かりを得たと判断している。
議長は「在庫削減のペースが鈍化すれば、製品需要が横ばいないし小幅減程度にとどまっただけで、工業生産は拡大に転じる」と予想した。ただ、グリーンスパン議長は「現在の景気サイクルを形成しているのは、主として企業収益と設備投資だ」とも指摘、企業収益と設備投資がなお軟弱な現状に警戒感を示した。
グリーンスパン議長は、景気回復への筋道を明確に示しており、景気反転への自信を強めているとみられる。しかし、その一方で、議長はリスク要因に対し、回復への要因を大きく上回るスペースを割いて警告している。このため、同議長は今月末のFOMCでフェデラルファンド金利の誘導目標を0.25ポイント引き下げて1.50%とするとともに、さらに金融政策の運用方針を「景気の弱さ」に配慮した「緩和方向」とし、一段の緩和余地を残すとみられる。