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【ワシントン逸見義行】エネルギー販売最大手、エンロン(本社・テキサス州)の倒産事件で、同社は89年からこれまでに580万ドル(約7億7000万円)の政治献金を共和、民主両党の計258人の上下両院議員にばらまいていたことが11日、明らかになった。ブッシュ政権の15人以上の高官も同社株を所有し、政権入り後、倫理規定に基づき売却し、利益を得た。米権力に巣食うエンロンの「政商」ぶりが鮮明になってきた。
民間の政治献金調査団体によると、同社の献金の対象は73%が共和党、27%が民主党だった。580万ドルのほぼ半分は、大統領選の選挙運動が行われていた99〜00年に使われた。政治献金を受け取ったのは、下院の半分近い187議員、上院の約4分の3に当たる71議員で、多くの議員が「エンロンマネー」漬けになっていた。
地元のテキサス州選出の議員への政治献金は手厚く、献金の最高額は、同州のベリー上院議員(共和)の9万9500ドル(約1300万円)だった。同社が倒産する直前の昨年11月下旬には、民主党本部に10万ドルを献金するなど、影響力行使のため、共和党だけでなく幅広くカネを配っており、上院を主導する民主党のダシュル院内総務も6000ドルの献金を受け取っていた。
ブッシュ政権の高官とのつながりも密接だ。リンゼー大統領補佐官(経済政策担当)、米通商代表部(USTR)のゼーリック代表は、それぞれ政権入りの前に同社のコンサルタントや顧問として年間5万ドルの報酬を得ていた。
エンロンの副会長を務めていたホワイト陸軍長官は、国防総省入り後、同社の株を5000万〜1億ドルで売却した。ラムズフェルド国防長官(1000〜1万5000ドル)、ローブ大統領上級顧問(10万〜25万ドル)も就任前には同社の株を所有していた。テキサス州知事時代から親しかった大統領だけでなく、政権の各部署にエンロンシンパがいたことになる。
同社は85年に設立後、電力自由化などエネルギーの規制緩和政策の進展に合わせて、業績を拡大してきた。政策が変化する際に大きなビジネスチャンスがあると見て、米政府や議会にアンテナを張り巡らしてきた。ブッシュ政権発足後は、エネルギー政策の転換に際し、同社が大きな影響力を行使しているとみられていた。同社が倒産回避のためにみせた政界工作の動きからも、政権中枢に食い込んでいることがうかがえる。
[毎日新聞1月12日] ( 2002-01-12-18:49 )