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フリースなどの不振で、平成6年7月の上場以来、初の減益減収になる見通しとなった「ユニクロ」を展開するファーストリテイリング社。その打開策として食料品販売の新規事業を打ち出した同社が提携する永田農業研究所(本社・東京)など永田グループ3社は、トマトなどの野菜を独自の手法で作ることで知られる“永田農法”を創始した。知る人ぞ知る存在の“ロールスロイス級”永田野菜が、大苦境に直面しているユニクロの救世主となり得るのか。
「永田農法って、何」−。ユニクロと提携したことで、関係者の間で話題となっている農法は、たっぷりの水と有機肥料を与えて育てた有機野菜とは異なり、わずか100分の1の水、10分の1一の肥料だけで育てたトマトに代表される独特の手法だ。野菜を自然に近い状態に戻し、自然のうまみを引き出すというもの。
ユニクロでは昨年から、食料品販売の構想を進めてきたが、今回、永田農法に“白羽の矢”を立てた経緯について、ファ社広報部では次のように説明する。
「そもそも衣食住という生活に密着したもののうち、『衣』について、いいものを安くというのがユニクロの企業コンセプト。それを『衣』より生活に密着した『食』でできないか、ということで、リサーチを開始した」
その上で、「自然に近い状態で、栄養が高くおいしい。品質のこだわりの部分がわれわれと合っている」という理由で、永田グループとの提携が決まった。
「そういった野菜が、たくさん世に出ておらず、その仕組みを作って、お安く提供したい」というのがファ社の考え。
確かに、通信販売が主で、ごく一部の小売店でしか売られていない永田農法の野菜は、トマトが1個200−300円もする分、まだ一般の消費者は手に入れにくい面がある。
だが、ファ社の柳井正社長=写真右=は、「ロールスロイス級の永田野菜をカローラのような大衆車にできる」と自信を見せる。
永田農法研究所は平成2年8月に設立。農法の考案者、永田照喜治さんは大正15年、熊本県天草町生まれ。大学卒業後、農業を始め、たまたま痩せた岩山に植えた作物の味が、肥えた平地のものより良いことに驚き、研究を重ねた。
結果、一般の3−5倍にも相当する糖度、数倍のビタミンCをもつトマトができたという。永田野菜の需要は、高級レストランにも多く、シェフらは一様にその味を絶賛する。
グルメ漫画として名高い連載漫画『美味しんぼ』でもごく初期(第7巻)に取り上げられているほか、原作者の雁屋哲さんは高校の教科書のなかで、「私が抱いていたトマトについての概念を根底から覆す恐ろしいトマト」と表現。また、人気料理番組「どっちの料理ショー」(日本テレビ系)でも取り上げられた。
関係者によると、永田グループの1つ「りょくけん」は、3年前にすでに年間売上20億円を誇っていた企業。取り扱うのは野菜のほか、乳製品や肉など200品目にも及ぶ。
以前、永田農法を取材したノンフィクションライターの平野勝巳氏は、「永田農法は野菜づくりに対する姿勢がしっかりしている。ユニクロもその製品は、『安かろう悪かろう』ではなく、縫製などもしっかりしている点で共通しているのではないか」と話す。
ユニクロは、衣料品とは別店舗での食料品販売を進め、今秋の店舗展開に向け、販売店舗数や設置場所などを今後、具体的につめていく方針。永田グループから食品の生産や加工に関するノウハウを受け、国内の農家と契約して生産を委託する方向だ。
前出の「りょくけん」は、今回の提携について、「ユニクロさんとの間で契約の守秘義務があるので」と口を閉ざす。ただ、グループ関係者は「この先、どれぐらいの規模で展開されるかは分からないが、永田野菜が一般に広がることはいいこと」と話している。
従業員40人弱と規模こそ小さいグループ3社だが、“野菜界の小さな大巨人”とでもいえそうな中身をもっており、永田野菜が転換期に突入したユニクロを救えるのか、大いに注目される。