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【ワシントン7日=天野真志】
訪米中の竹中経済財政相は7日、ワシントン市内でポール・オニール財務長官ら米政府の経済閣僚級と相次いで会談し、日本が金融危機の恐れに見舞われるようなことがあれば、公的資金の再投入の検討も辞さない考えを表明した。一方、米側は、日本のデフレ問題と金融機関の不良債権問題に強い関心を示し、デフレ対策と不良債権処理の両立を目指すよう竹中経財相に要請した。
経財相は同日、オニール長官のほか、大統領経済諮問委員会(CEA)のグレン・ハバード委員長、ローレンス・リンゼー大統領補佐官(経済担当)らと個別に会談した。会談で経財相は、不良債権処理などを進める過程で仮に金融危機の恐れが再燃するような事態に陥った際には、「柔軟かつ大胆な対応を行う」などと語り、公的資金の再投入もいとわずに金融危機の回避に全力を尽くす意向を強調した。米側は「妥当な対応だ」などとして、日本の方針を支持する考えを示した。
一方、米側は、日本の今後の政策課題について「デフレ阻止と不良債権処理を同時に行っていくことが大切だ」(ハバード委員長)などと指摘し、デフレ対策と不良債権処理の両立を目指すよう求めた。
これに対して竹中経財相は「試行錯誤をしながら同時解決をしていくしかない」などと答え、米側と認識が一致していることを強調した。ただ、米側は、デフレ阻止と不良債権処理を両立させるための具体策などについては言及しなかった。
経財相が公的資金投入に前向きな姿勢を明示したのは、昨年来の日本市場での株価不安などを背景に日本で金融危機が再燃し、世界経済の混乱要因になりかねないとする懸念が米国内で高まっていることに配慮したものと見られる。
また、米側がデフレと不良債権への対応を両立するよう求めた背景には、米国の景気後退入りで、本来なら米国に代わり世界経済のけん引役を務めるべき日本が景気回復のめどがつかないどころか、デフレスパイラルのがけっぷちにいることへの危機感やいら立ちが募っていることがある。
このため今後、日本の対応が後手に回ったり、十分な効果を発揮できない場合は、米側がより強く日本に対応を求めてくる可能性が高まりそうだ。
(1月8日12:08)