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速水優日銀総裁が昨年11月下旬の経済財政諮問会議(議長・小泉純一郎首相)で、大手銀行に「公的資金を注入する必要がある」と主張していたことが4日明らかになった。金融機関の経営実態を知る日銀総裁が再注入の必要性を明言していたことで、公的資金導入論を加速させる可能性がある。また、柳沢伯夫金融担当相は、この場で、大手行以外の信用金庫などについて3月末までに整理を終える方針を明らかにしていた。
諮問会議は昨年11月20日に集中審議として不良債権問題などを1時間半にわたって協議し、議事内容は非公開とされた。
非公表の議事概要や関係者の話を総合すると、出席した柳沢金融担当相がまず、02年3月期の大手行の不良債権処理額が6兆円規模に膨れ上がるものの、「大手行の自己資本比率は10%台を維持する」との見通しを報告。また、信用金庫や信用組合など大手行以外の金融機関について「20〜30社を整理して、健全行のみで(4月の)ペイオフ(預金の払戻保証額を元本1000万円と利息とする措置)の凍結解除を迎え、その後1年〜1年半は破たんさせないよう事務方に指示している」と語った。
これに対し、速水総裁は「自己資本が10〜11%というが、税金の前払い分を勘案すると核の自己資本はその半分ではないか」と、不良債権処理の際に前もって払う税金分を算入しない国際水準で測った実質自己資本は、大手行平均で5%台にとどまるとの見方を示唆した。国際決済銀行(BIS)が国際業務をする銀行に求める8%を大きく割り込んでいる。
速水総裁はそのうえで、「よって、公的資金は入れる必要がある」と述べた。速水総裁は公式には、公的資金注入について「自力で資本調達の努力を尽くしたうえで、必要であればあり得ると思う」などと述べるにとどめている。速水発言に柳沢氏は「日銀総裁が初めて資本の“質”に言及したが、なぜ日銀総裁が(そんなことを)言うのか」などと反発した。
なお、今年度下期(昨年10月以降)に入って、この日の会議までに信金・信組・地方銀行は15前後が破たん、その後も含めると破たんは35近くに上っている。