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(回答先: アルゼンチン新通貨、切り下げ論議で混乱〔日本経済新聞〕 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 12 月 27 日 17:00:26)
【ブエノスアイレス27日=京屋哲郎】経済混乱が続くアルゼンチンで、インフレ懸念が急速に台頭してきた。ロドリゲス・サア大統領が経済再建の切り札として、外貨準備高による資産的な裏付けがない“第三の通貨”アルヘンティーノの導入を打ち出したためだ。アルヘンティーノはドルやペソと交換できず、一歩間違えば、ハイパーインフレを招く可能性も否定できない。再建の切り札は、新たな難問を生み出す「両刃の剣」でもある。
アルゼンチンは、88年以降続く景気低迷で失業率は約18%まで上昇し、国民の3分の一が貧困層という厳しい状況に陥っている。
アルヘンティーノ導入の最大の狙いは、資金の流動性を高めることで、こうした貧困層にも資金を行き渡らせ、国全体として購買力を高める点にある。
新政権は、アルヘンティーノの発行規模について公式に発表していないが、100億ドル規模に達するとの見方も浮上している。しかし、専門家の間では「30億ドル分以内の発行ならば消費刺激によるプラス効果が期待できるが、それ以上の発行はインフレを引き起こす」(米銀アナリスト)との懸念が強い。
こうした懸念を背景に、インフレの芽はすでに具体的な形で現れ始めている。
首都ブエノスアイレスの商店などでは、第三通貨発行案が明るみになった今月23日以降、小売価格を20〜30%引き上げるケースが目立っており、今後もインフレを先取りした値上げの動きが、アルゼンチン全土に拡大すると見られる。
アルゼンチンが抱える債務の大部分はドル建てだ。現在、採用しているドルとペソを 一対一で固定したペッグ制を廃止した場合、ペソが急落して債務が膨張し、国内企業などの倒産急増は避けられない。このため、表向きはペッグ制を維持しつつも、アルヘンティーノ導入により、緩やかに実質的通貨切り下げに移行するのがサア政権が描く最善のシナリオだ。
しかし、逆に歯止めの利かないインフレが起きれば、経済混乱に拍車がかかって、この軟着陸路線は水泡に帰すことが懸念されている。