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【ブエノスアイレス23日=本間圭一】
アルゼンチン国会は23日、上下院合同会議を開き、デラルア前大統領の辞任に伴う臨時大統領選出投票を行い、議会で最多議席を占める正義党のアドルフォ・ロドリゲス・サア同国中部サンルイス州知事(54)が当選した。同氏は国会で宣誓し就任した。同氏は、引き続いて演説して、同国の1320億ドル(約17兆円)の公的債務問題について、「今日から債務の支払いは行わない」と支払い停止を表明し、事実上の債務不履行(デフォルト)が確実となった。
アルゼンチン通貨ペソとドルのレートを1ペソ=1ドルとするペッグ制が巨額債務の一因とされるが、同氏は、「(ドルを自国通貨として導入する)ドル化も為替レート切り下げも考えていない」とした上で、「第三の通貨をつくる予定だ」と述べた。ペソの信頼度が低下しているために、新通貨を作る考えを示したものと受け止められている。
同国では、失業率が18%に達しており、同氏は、雇用対策などによる社会不安の解消に取り組むことになる。正義党は、来年3月の大統領選実施を主張しており、臨時大統領の任期は、大統領選で新大統領が選ばれるまで。
一方、デラルア前大統領が退陣する引き金となった商店略奪は22日までに収束し、ブエノスアイレスでは交通機関も正常化しつつある。19日に全土に発令された「非常事態」宣言も、ブエノスアイレス州と同国中部エントレリオス州を除いて解除されている。
(12月23日23:15)