投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 12 月 07 日 12:57:24:
(回答先: ゼネコン淘汰の序曲 銀行頼みすでに限界〜中堅再編の動き〔産経新聞〕 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 12 月 07 日 12:55:23)
中堅ゼネコンの青木建設が六日、民事再生法適用を申請したことで「過剰債務」を抱える企業は改めて経営再建計画などの抜本的見直しを迫られることになる。金融庁の特別検査を契機に、大手銀行が融資先企業の査定を厳格化したほか、金融庁幹部も今回の破(は)綻(たん)を「特別検査の結果」と認めているからだ。大手銀行による不良債権の最終処理は、ゼネコンだけでなく流通、不動産といった不振業種に波及するのは避けられない。(小島清利)
≪驚きの声なく≫
「いよいよ始まったか」。青木建設の破綻に対し金融関係者の間には驚きの声はなかった。むしろ建設、流通、不動産の「構造不況三業種」をはじめとした債務過剰企業の淘(とう)汰(た)の幕開けという見方が広がった。先月末の大手行の十三年九月中間決算や業績修正会見での経営トップたちの発言に、その兆候があらわれていたからだ。
青木建設の主力取引銀行のあさひ銀行の梁瀬行雄頭取は先月二十日「資産の不安定要素を今期でなくす」と宣言。米投資銀行のゴールドマン・サックスとの合弁会社を活用し、貸借対照表から不良債権を切り離す「オフバランス化」で最終処理を促進する。
最終処理に断固たる姿勢を強調したのは、あさひ銀だけではない。大手十四行は、取引先企業の不良再建処理を急ぎ、今年度の不良債権処理額は当初の三倍以上の六兆二千六百億円(単体)に膨らむ。今後も、破綻企業が続く可能性が高いことはこの処理額にも明らかだ。
しかも、大口貸出先だった大手スーパー、マイカルの破綻を引き金に多額の損失が発生したみずほホールディングスをはじめ、各行とも貸倒引当金の増額を織り込んだ。破綻企業が出ても「債権の一部が回収不能に陥る可能性があるが、通期の業績予想に影響はない」(大手銀行)という。
特別検査を銀行に対し実施中の金融庁にとっても、青木建設の法的整理は「不振企業の淘汰を進める」という筋書きに近いものだ。
同庁はプラントメーカー、新潟鉄工所の先月末の破綻が特別検査の結果だったことを否定しない。
整理回収機構(RCC)の機能拡充などで、最終処理の環境は整ったとの判断もある。
≪市場の評価は≫
ただ、大手銀行には赤字決算を余儀なくされたり、自己資本の一部である法定準備金を取り崩したところも多く「ペイオフ解禁を控え、金融システム不安が高まりやすい」(日銀の三木利夫審議委員)状況にあるのは確かだ。
不良債権の最終処理は、不振企業が市場から退出するというプラスの面はあるが、逆に「信用リスクの増大」という負の部分も無視できない。
現実に六日の株式市場では「青木建設の破綻は予想されていたにもかかわらず銀行株は一時売られており、マイナス面が意識された」(白川浩道・UBSウォーバーグ証券チーフエコノミスト)。
不良債権との決別を目指す銀行と、自力再建の道を模索する取引先企業。最終局面を迎えた不良債権処理の行方は、市場の動向にも大きく影響されそうだ。