投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 12 月 07 日 12:55:23:
政府による公共事業の一割削減などで経営環境が悪化する中、ゼネコン再建は難しさを増している。青木建設も再建の難しさを市場に見透かされ破綻(はたん)に追い込まれた。銀行頼みのゼネコン再建はすでに限界を露呈、経営不安に苦しむ準大手・中堅各社は再編も迫られている。今回の破綻劇で業界の信用力のさらなる低下は避けられないだけに、構造不況に苦しむゼネコンの淘汰(とうた)は一気に加速する可能性も出ている。
「平成十一年三月に経営再建計画を作ったときは、市場も一定の評価をしてくれたのだが…」。青木建設の中野輝雄副社長は六日の会見で、再建計画に対する市場の容赦のない目を嘆いた。
銀行による借金棒引きで自主再建を目指すゼネコンは少なくないが、最近、その先行き不透明感が急速に増している。公共事業の削減や民間需要停滞という経営環境の悪化に加えて、金融庁が実施中の特別検査で、ゼネコンに対する大手銀行の支援姿勢が厳しさを増しているからだ。
また、国土交通省が十月、大型公共事業受注の際に主要取引行に求める保証額の引き上げを打ち出したことが、銀行のゼネコン選別を促している。さらには金融・産業界の私的整理ガイドラインで二度目の債権放棄に歯止めがかかったことも大きい。こうした変化が「銀行頼みの再建」をもくろむゼネコンの甘い期待を崩しつつあるのだ。
青木建設はその象徴にすぎない。業績は堅調で、連結中間決算で粗利益率などは業界トップ水準まで改善したにもかかわらず、市場は評価しなかった。再建計画が二十年間と長すぎ二千億円の債務免除額が少ないとの批判があったからだ。
青木だけではない。甘さの残る再建計画は急場しのぎにしかならず「風評を含む先行き不安が市場に拡大、それが受注減を加速し、銀行の懸念が拡大する破綻シナリオ」(国土交通省幹部)は今後も続く。市場はすでに青木建設の“次”を模索している。
九年夏の東海興業以来、上場ゼネコンだけでも七社が法的整理した。それでも業界各社は合併や再編に慎重なままだ。今回の破綻は、共存共栄を重視する業界にとって淘汰・再編の序曲となりそうだ。(長谷川秀行)