投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 12 月 06 日 17:24:44:
経営再建中の中堅ゼネコン、青木建設<1886>は6日午後、東京地裁に民事再生法適用の申請を行い、事実上倒産した。負債総額は9月末時点で3721億円に上っている。バブル期のホテル業進出やリゾート事業拡大などに加え、バブル崩壊後は公共事業の減少も結果的には破たんを後押しした。債権放棄を受けてのゼネコン倒産はこれが初めてで、近年では97年の東海興業や、98年に負債額4067億円で倒れた日本国土開発などに次ぐ大型倒産となる。
●金融庁“特別検査”の一環?
同社はバブル経済時にホテル事業を拡大するなど、急激な事業拡大を進めてきた。なかでも88年、世界有数のホテルチェーンと言われる米国ウェスティンホテルを11億ドルで買収するなど海外での事業展開に積極的だった。
結局、これらがアダとなり巨額の不良資産が発生。99年にはあさひ銀行<8322>や日本興業銀行などメーンバンクから総額でおよそ2050億円の債権放棄を受け、経営再建を進めてきた最中だった。しかし現在でも公共事業の削減などで収益が頭打ちとなり、収益の改善が見込まれず、資金繰りも悪化。金融庁が先月から開始した大手銀行に対する特別検査も加わり、不振企業の債権区分見直しが進んだものとみられている。
●支援企業探しは難航か?
青木建設のここ数カ月の株価は30円台にとどまり、株式市場では“要注意銘柄”にマークされてきた。今後同社は、民事再生法による再建を目指すことになるが、ゼネコン不況が深刻化しているだけに、支援企業探しは難航することが予想される。
青木建設は1947年創業、従業員数は連結で6500人の資本金はおよそ215億円。2001年9月中間時点の業績は売上高1100億円、経常利益は37億円、最終利益は4億7200万円。
青木建設倒産を受け、東京株式市場ではメーンバンクのあさひ銀行が売られた。一時は前日比9円安の87円まで押されたが、終値では「(青木破たんは)予想の範囲内」(市場関係者)として、92円で取引を終えた。
(市川徹 井原一樹)