投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 30 日 20:15:00:
米エネルギー企業、エンロンの社債を組み入れていたMMF(マネー・マネジメント・ファンド)の元本割れで、個人投資家や証券会社に動揺が広がっている。9月にマイカル破たんで明治ドレスナー・アセットマネジメントのMMFが元本割れし、11月22日にも大成火災海上保険の破たんで三洋投信委託の中期国債ファンドが元本を割り込んだ。貯蓄型投資商品であるMMFの安全神話の崩壊が、投資家離れを招く恐れが出ている。
28日時点の残高が2兆7000億円だった日興アセットマネジメントのMMFは、元本割れが明らかになった29日だけで1兆5000億円以上の解約申請があったと見られ、顧客は不信感を募らせている。
エンロンは10月中旬に発表した7〜9月期決算で、巨額の簿外金融取引が判明したが、格付け会社も投資適格にしていたため、「日本の市場関係者がエンロンの破たんを予想するのは困難」(みずほ証券)という。仮に予測できても、残存期間1年未満のエンロン債は、投資信託協会のルールで時価評価の対象外となり満期前の売却ができなかったため、「投信の債券を入れ替える機動的運営ができなかった」との見方もある。
しかし、結果的に運用に甘さがあったとの指摘は免れず「MMFは証券会社の主力商品。信頼感が失われ、投信離れにつながることを危惧する」(野村証券)との懸念が業界に広がっている。
【小島昇】
[毎日新聞11月30日] ( 2001-11-30-19:46 )