投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 30 日 09:22:02:
(回答先: エンロン・ヨーロッパ、法的整理手続き開始(日経新聞) 投稿者 sanetomi 日時 2001 年 11 月 30 日 07:11:59)
NY(ダウ・ジョーンズ)海外市場ではずっとドルは売り圧力を受けていたが、29日のニューヨーク外国為替市場では、米国経済の健全性に対する懸念があるにもかかわらず、ドルは巻き返し、対円では上昇し、対ユーロではやや値を下げて取引を終えた。
値動きの激しい取引のなか、ドルに対する以前からの弱気なセンチメントがエンロンの財政危機によって増幅され、朝方、ドルは対ユーロおよび対円でテクニカルなサポート水準を割り込んだ。
今のところ、エコノミストはエンロンの経営難が外国為替市場に直接影響を及ぼすことはないと見ている。しかし、この米エネルギー大手企業が破産に追い込まれるという見込みから、米経済および大手企業の根底に横たわるリスクに再び焦点が当てられるようになり、景気後退の期間や度合いについてこれまでの懸念がさらに高まっている。
「このことが通貨市場に長期的な影響を与えるかどうか聞かれたら、それほどではないと答えるだろう」とBNPパリバのグローバル通貨戦略部長、ハンス・レデカー氏は述べた。しかし、「短期的にはポジションをカバーする十分な材料となる」とし、エンロンの経営難により、米国の「企業収益が低迷し、企業が回復するのに長い時間がかかる」という市場の意見が固まりつつある、と指摘した。
確かに、様々な要因からドルに対する市場の信頼感が弱くなっているところに、エンロンの問題が輪をかけている。
27日に発表された消費者信頼感指数が弱いものであったことや、米連邦準備制度理事会(FRB)による景気の見通しがかんばしくなかったため、ドルに対して最近楽観的に過ぎたとの見方が市場ではたかまっている。
投機的な取引が大量のドル買い持ちポジションを積み上げていたが、ドルに対する見方が悲観的な方向に移行したため、ポジションの解消をし始めた。エンロンの問題がこうした動きを加速させることになった。
「市場ではドルの買い持ちポジションを解消する機が熟していた。エンロンの問題がきっかけとなったにすぎない」とシティバンクのグローバル通貨戦略部長、ロバート・シンチ氏は語った。
ニューヨーク市場では下げ圧力に押されての取引だったが、ドルは素早く反転上昇した。特に対円では、前日安値の122.86円から1円以上も上昇し、日中高値の123.93円までつけた。
こうした迅速な回復が説明できずに茫然としているアナリストもいるが、エンロン関連の損失が、日本の大手銀行の支払能力を脅かしているといううわさによるものだとする者もいる。このうわさやエンロン問題が日本の銀行に与える影響についての報道に関しては何も裏付けはない。
米東部時間午後5時50分現在、ドル/円は1ドル=123.85-93円、ユーロ/ドルは1ユーロ=0.8871-76ドル、英ポンド/ドルは1ポンド=1.4262-70ドル、スイス・フランは1ドル=1.6555-63フランで取引されている。