投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 29 日 15:23:53:
(回答先: 米エンロン、企業問題の助言を得るためブラックストーンと契約=関係筋[ニューヨーク28日ロイター] 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 29 日 15:07:48)
NY(ウォール・ストリート・ジャーナル)米総合エネルギー大手のエンロン(NYSE:ENE)による同業ダイナジー(NYSE:DYN)への身売り計画がとん挫したのを受け、金融市場関係者の間では、エンロンが連邦破産法11条の適用申請を余儀なくされるとの見方が強まっている。エンロンは、数百億ドル規模の複雑な金融取引を抱えているため、破たんした場合、幅広い業種に波紋が広がるとみられている。
エンロンの債務格付けが、米大手格付け会社による格下げで投資不適格となったことを受け、ダイナジーは28日、今月9日にエンロンと結んだ合併合意を解除したと発表した。
コーダート・ブラザーズで破産法を専門とするエドワード・ティリングハスト氏は、エンロンの事業は「あまりにも巨大」であるため、同社の破たんが及ぼしうる影響の度合いは、「比べられるものがない」と指摘、過去に例のない破産事例となりうると述べた。
エンロンのエネルギー卸売事業は、スワップ、買い戻し契約、フォワードなどを利用し、銀行などの金融機関、地方自治体、公益企業などと取引しており、破たん後にこれら無数の契約を解消するのは至難の業という。
破産法11条の適用を申請しても、これら取引は通常の契約とは異なり、自動的に凍結はされず、エンロンの取引相手は、破産申請後も取引解消に向けた努力を続けられる。ただ契約の価値について、エンロンと取引相手の間で対立が起きるのは必至で、「信じられないほど複雑な金融エンジニアリング」(アンダーソン・キル&オリックの破産法専門弁護士、アンドリュー・ラール氏)が必要となる見込みという。
企業破産を専門とする弁護士らには、すでにエンロンの債権者らから相談が寄せられているという。一方、エンロンの広報担当者、カレン・デン氏は、同社が破産申請に向けて法律顧問を雇ったかどうかは明らかにしなかった。
28日の株式市場では、大手米銀のJPモルガン・チェース(NYSE:JPM)とシティグループ(NYSE:C)の株価が、エンロン向け債権が不良化するとの懸念で下落した。JPモルガンは、エンロンのパイプラインを担保とした4億ドルの融資に加え、エンロン関連会社向けに融資、信用状、デリバティブなどで約5億ドルの無担保の債権を抱えていることを明らかにした。
また、米エネルギー会社のエグゼロン(NYSE:EXC)は、電力卸売り子会社が、エンロン向けに1000万ドル弱の債権(純額ベース)を抱えていることを明らかにした。また、米政府によるここ数年間の電力規制緩和を受け、百貨店大手のJCペニー(NYSE:JCP)、ショッピングモール運営を手掛けるサイモン・プロパティーズ・グループ(NYSE:SPG)などの一般企業も、エンロンと電力契約を結んでいる。
エンロンが破産申請した場合、多数の訴訟が起こされるとみられている。エンロンは、投資会社との簿外取引が巨額損失を被るきっかけとなったが、こうした簿外取引の提言者も訴えられる可能性がある。
エンロンの負債残高は約130億ドル。取引相手と債権者は約800社。