投稿者 sanetomi 日時 2001 年 11 月 22 日 18:16:20:
特殊法人改革で、小泉首相が11月中に他の法人に先駆けて結論を出すよう指示し
ていた道路関係4公団など7法人の廃止・民営化問題が22日、大筋で決着した。道
路4公団の民営化については自民党側が理解を示し、調整が難航していた国土交通
省所管の住宅金融公庫、都市基盤整備公団の廃止を、扇国土交通相が容認した。こ
の先行7法人の改革問題は、同日午後の与党3党首会談でも合意される見通しだ。
政府は12月中旬にまとめる整理合理化計画にこれを盛り込み、来年の通常国会に
関連法案を提出する。
小泉首相は22日昼、首相官邸で石原行政改革相、自民党の太田誠一行政改革推
進本部長、公明党の北側政調会長、保守党の井上政調会長と会談し、道路関係4公
団など7特殊法人の廃止・民営化について合意した。与党側からは具体的な廃止・民
営化の進め方や、業務の引き継ぎなどについて、国民への影響を最小限にとどめるよ
う配慮することを要請した。首相は、具体策については慎重に検討すると述べた。
住宅金融公庫、都市基盤整備公団を廃止し、残る一部の業務を新たな組織に引き
継ぐことについては、小泉首相と扇国交相の21日の会談で一致した。これは扇国交
相が22日の閣議後の記者会見で明らかにしたもので、住宅公庫については、融資を
段階的に縮小し、民間金融機関が住宅ローン債権を証券化する事業を支援するため
の独立行政法人を別途設立する。
都市公団については〈1〉新規の賃貸住宅建設の中止〈2〉既存賃貸住宅の売却、管
理の民間委託〈3〉都市再生を実施する新たな法人の設立――で廃止手続きを進め
る。廃止時期については、住宅公庫は首相が5年以内とする方針を示した。
道路関係4公団の民営化は、自民党の道路族議員が首相の「来年度からの日本道
路公団への国費投入ゼロ」の方針を容認し、首相も財政投融資からの借り入れの償
還期間を当初指示していた30年から「50年を上限」と譲歩したことで、決着の方向と
なった。民営化の形態などは今後設ける第三者機関で詰める。
経済産業省が所管する石油公団の廃止については、主要業務を同省所管の特殊法
人・金属鉱業事業団に統合することで平沼経済産業相と石原行政改革相らが合意し
ている。調整が残されている石油公団の子会社の株式の取り扱いは、22日に平沼、
石原両氏と自民党の堀内総務会長が会談し、最終決着を図る。
福田官房長官は同日午前の会見で、「石原行政改革相はじめ関係閣僚が調整して
きた成果が上がるのではないかと期待している」と、7法人の廃止・民営化は同日の
与党3党首会談で決着するとの見通しを示した。政府筋は同日朝、正式発表は26日
になると述べた。