投稿者 sanetomi 日時 2001 年 11 月 15 日 19:16:29:
財政制度等審議会財政制度分科会の今井敬会長は、今年度の2次補正編成問題に関して、公共投資により一時的に景気を刺激しても、日本の財政のサステナビリティに対する信用が失われ日本国債の格付けが下がれば、国債価格が下落し、国債を大量に運用している銀行などへの影響が大きくなる、と述べた。
「2002年度予算編成等に関する建議」に関する財政制度等審議会財政制度分科会後の会見で述べたもの。
今井会長は、国と地方の長期債務残高が666兆円にも膨らんでいることへの危機意識が、議員や国民のなかに少ないのではないかと懸念を示したうえで、今年度2次補正が必要との議論に対して、「公共投資により一時的に景気を刺激しても、日本の財政のサステナビリティに対する信用が失われ日本国債の格付けが下がれば、国債価格が下落する。貸出が出来なくて国債を大量に運用している銀行などへの影響が大きくなる。雇用など必要なカネは惜しむべきではないが、財政を使った土木中心の公共事業は断固としてやらない方がいい」と語った。また、「30兆円枠」について、今井会長は、「現時点で必要なものは今の補正予算で足りている。事態に応じて考えていいが、今は何も起こっていない」との認識を示した。
また、同じく会見した財制審歳出合理化部会の西室泰三会長は、“来年度もマイナス成長の可能性が高いが、それへの配慮はあったのか”との質問に対し、「議論の過程のなかで経済成長率の確保とかは討議していないが、構造改革することや財政規律を取り戻すことが成長につながるということが基本に議論された」と述べた。このほか、西室会長は、来年度の予算規模について、個人的な感想としたうえで、「今年度補正後の規模と、ほとんど同じになると想定している」と語った。