投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 07 日 13:49:06:
政府は7日の臨時閣議で、今年度補正予算案の概要を決定した。雇用対策や中小企業のセーフティーネット(安全網)整備など構造改革を推進するための施策が中心になっている。追加歳出額は2兆9955億円で、地方負担分や財政投融資を合わせた事業規模は約5兆8000億円となる。9日の閣議で正式決定し臨時国会に提出、今月中の成立を目指す。
歳入面では景気後退の影響で税収を1兆1000億円減額する一方、国債を1兆6820億円発行する。これにより今年度の国債発行額は30兆円ちょうどで、小泉内閣が目標にしている「30兆円以内」の上限に達する。
追加歳出のうち1兆円は、小泉内閣が推進している構造改革の中で優先して取り組む改革先行プログラムの施策に充てる。雇用対策に5501億円を配分するほか、中小企業対策では売掛金を担保とした信用保証制度の新設などに2511億円を計上する。また、保育所の整備や都市再生など構造改革を推進する上で緊急性の高い6分野に1989億円を充てた。
また、米同時テロ多発事件を受けて、防衛庁、警察庁、法務省、国土交通省など13省庁の国内テロ対策費として499億円を計上。核・生物・化学(NBC)テロ対策費や入国管理強化策などを盛り込んだ。
狂牛病対策費も、農場での狂牛病発生の監視体制強化などで265億円を計上した。
ただ、米国のアフガニスタン攻撃に伴う自衛隊の海外派遣や狂牛病問題の深刻化といった事態も想定されることから、補正予算の財源に充てるための予備費(3500億円)の減額幅を昨年度の補正予算より500億円圧縮して1000億円にとどめ、追加的な出費に備えた。
また、既定経費の削減や当初予算に計上したものの未使用の公共事業費3000億円などを減額。この結果、追加歳出額から歳出減額分を差し引いた補正予算案の歳出合計額は1兆610億円となる。 【会川晴之】
◇補正予算案の主な歳出項目◇
●改革先行プログラム関連費
・雇用対策 5501
・中小企業対策 2511
・構造改革促進対策 1989
電子政府の実現 (470)
学校情報化の推進 (295)
保育所増設など (210)
廃棄物処理施設整備 (445)
地域科学技術振興 (469)
都市再生など (100)
●テロ対策費 499
●狂牛病対策 265
(単位・億円、かっこ内は内訳)