(さらに遅れ記事)第14回日経ゴールドコンファレンス要旨

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投稿者 sanetomi 日時 2001 年 11 月 04 日 23:52:55:

回答先: Re: (さらに遅れ記事)米テロ後の金市場 専門家はこう見る 投稿者 踊る藁人形 日時 2001 年 11 月 04 日 23:02:41:

トレード・アドバイスは日頃、自分が相場動向を考える時に気にかけていること、見事に予測を外した時の体験、ちょっと気になる些細
なことまで、ランダムに思いつくままに書いています。


21.第14回日経ゴールドコンファレンス要旨

ぶる作成の要旨です。あくまで要旨ですから文責はぶるにあり。本当はもっと奥が深〜い次元で語られているんですよ。

■不確実な環境下の金
ロバート・プリングル氏 ワールドゴールドカウンシル パブリックポリシーセンターヘッド

■金需給の現状と今後
ポール・ウォーカー氏 ゴールドフィールズミネラルサービシズ社 ディレクター

■Digital Money:e−gold
フォレスト・キャピー氏 シティ大学ビジネススクール、バンキングファイナンス学部教授

■金ナノ粒子−触媒、ハイテク材料への新展開
春田 正毅氏 産業技術総合研究所 環境調和技術研究部門長

■中国金市場創設にむけて
ローランド・ウォン氏 ワールドゴールドカウンシル 中国 マネージャー

■パネル・ディスカッション 激動する国際情勢と金価格−「有事の金」の問題
ロバート・プリングル氏、ポール・ウォーカー氏、
亀井 幸一郎氏−マーケット ストラテジィ インスティチュート代表
司会:豊島 逸夫氏 ワールドゴールドカウンシル 日韓地域代表

■不確実な環境下の金
ロバート・プリングル氏 ワールドゴールドカウンシル パブリックポリシーセンターヘッド

金はなぜ不確実な時代に求められるのか、マクロ経済的要因との関わりはどうか、中央銀行の果たす役割、テロ後の金への影響を大きなテーマにスピーチ。金は長期的には真の
価値を持つ。ただ、ここで1999年以前の金市場を振り返ると、相場は下降傾向であった。米長期債との相関推移を見ても長期的なインフレ率は低下傾向を示し、一方で米ドルは強
く、株式市場などペーパー資産は強含んでいた。1995年以降の金価格のトレンドはドル建てではダウン、一方ではユーロ建てでは上昇。
中央銀行の金売却は、ここ10年ではネット(正味)で増加し、金市場へのレンディング(貸出し)が、特に1990年代後半になって増加した。そして、1999年9月に中央銀行15行によ
り、2004年まで年間売却量を400トンとするWAG(ワシントン合意)が打ち出された。

2001年はインフレ率は安定的ながらも、ドル高は頭打ちとなっている。中央銀行の金売却が沈静化し、金市場へのレンディング(貸出し)も制限されている。中央銀行、公的保有と
しての32,800トンの金準備の内訳は、WAG加盟国の保有分が46%、IMF、米国など売却、貸出し無しが35%、売却なし、貸出しもないであろうと見られるのが日本を含む2%、既
に貸出し済みのものが8%、残りが9%となっている。今後の中央銀行による金保有としては、年間500トン前後の売却を前提とすれば、マーケットへの影響は1990年代後半に比
べ鈍化してくる。テロの影響として、中央銀行は金保有をフリーズ、凍結した。何もしていない状況。少なくとも、中央銀行はその保守性から市場にマイナスになることはしない。金
は中央銀行に
とって@無債務性、A分散投資媒体、Bインフレヘッジ、C不安定性へのヘッジ、という線上に置かれる。

■金需給の現状と今後
ポール・ウォーカー氏 ゴールドフィールズミネラルサービシズ社 ディレクター

2001年前期としては、公的部門の売却がWAGの範囲にとどまったことで減少した。鉱山会社のヘッジ売りが減少したが、これはリースレートの水準が高めだったということや、価
格が改善するとの期待が強まったためである。スクラップ回収は中東からの流入が増加、これはトルコ通貨危機によるもので域内からの還流売りが増加した。また、東アジア地域、
インドネシア、タイからのスクラップ回収も増加した。需要面では中国での宝飾用が増加し、エレクトロニクス向けが減少した。インドの需要が伸びているが、これは今年のモンスーン
の程度が良いことや婚礼件数が増えていることが背景。一方、欧州では宝飾用が減少、北米では小売が落ち込んだ。2001年下期については、日本は例外的に金への関心が高い
ものの、世界的に実需が弱いことから上昇余地は限定的と見られ、レンジとしては265〜285ドルと見られる。

■Digital Money:e−gold
フォレスト・キャピー氏 シティ大学ビジネススクール、バンキングファイナンス学部教授

インターネットの普及によって、民間で実験が開始されたe−gold。金融機関のコングロマリット化が進むことにより、プライベートマネーとして世界的に拡大する可能性を持ってい
る。

■金ナノ粒子−触媒、ハイテク材料への新展開
春田 正毅氏 産業技術総合研究所 環境調和技術研究部門長

触媒の世界生産額は、年間1兆円規模が外販市場で扱われる。小さい市場のようにも見えるが、実際は、この200倍規模の化学製品市場を支配する。金の特性としては化学的な
安定性、融点が低いこと、などがあげられるが、半球状の金ナノ粒子は触媒として高活性であることが判明した。現在、脱臭触媒として実用化されている。

■中国金市場創設にむけて
ローランド・ウォン氏 ワールドゴールドカウンシル 中国 マネージャー

金市場に関しての中国規制当局の基本的考え方は、他にモデルケースがないということもあって、段階的な改革を実施していくということ。独占的な金管理撤廃、取引所設立、第
10回5カ年計画において中国人民銀行の戦略のひとつである。金管理撤廃については、上海に会員制取引所を開設し計画的管理を撤廃し、商業銀行がOTC(相対ベース)で、他
の商業銀行と金の取扱いを行う。また、金の小売に関して許可制を廃止し、登録制に変えて行く。なお、中国での金自由化は人民元の100%のハードカレンシー化が課題である。
2000年には金のテストケースとして銀市場の自由化を実施。価格制度の変更で国内金価格と国際価格の連動性を強めた。また、深センで三行に許可を与え、金コンサインメント
(海外ディーラーから在庫を受け金を委託販売する)業務を開始した。そして、2001年には中国人民銀行が週間で金価格を調整、設定するなど、価格体系を変更した。焦点となって
いた税制は、付加価値税を課さないということで決定している。今後、海外企業にとって、金流通分野でのチャンスとなる。

パネル・ディスカッション―「有事の金」の問題

■9月11日を境に金市場は変わったか?
亀井氏
結論から言うと、金市場は変わった。視点により考え方に温度差があるが、例えば日本国内の金需要は上半期は前年比で20%減だったが、9月12日から月末まで、金額にして2
億円を売り切った模様だ。ペイオフ、不良債権問題に次ぐ、マイカル債の問題なども金指向が続く要素と見る。海外でも米国金利は実質金利で見てマイナス金利と、金にとってプラ
スの状況。また、9月11日は機関投資家にとって、あらためてグローバル分散投資に対する見方が変わったのではないか。米国株は一時売ることもできず、換金できなかったのだ
から。

ポール・ウォーカー氏
マーケットは9月11日の前から変わっていた。マーケット・マインドは定義できない。三井のアンディ・スミス氏が340ドルと言っている。11日は「Short・Sharp・Shock」だった。しかし、
ここで言えることは価格が動くということは、一方で相殺要因が働くということ。インドの実需は(ルピア安を受けた価格上昇で)減少し、アジアからのスクラップも増加するのではとい
う見方が出来る。もっと持続的な上昇のためには投資需要が必要。あまり下がるとは思っていないが、一気に投資需要が増加しないと上がらない。

ロバート・プリングル氏
9月11日のテロで、人々のマインドが、いかに投資についての脆弱性を感じていたかということを感じた。私自身、以前にWTCビルのオフィスに居たこともあり、衝撃的な出来事だっ
た。相場は教科書的な動きとなった。日本では銀行システムへの不安や財政問題を抱えるなど、いくつかの懸念要因が見受けられる。

■実需の減少は加速化するのか?
ポール・ウォーカー氏
この点は非常に気にしており、市場に現われる相殺的な力を気にしている。目下のところ好転する兆しはない。米国はリセッションに入りつつあるが、シンガポール、台湾、マレーシ
ア、タイでは米国経済の影響を受けている。

亀井氏
今の金は例えればホバリング状態で不安定である。300ドルを超えられなかったが、各国を中心にセーフティネットが作られ、金融市場でパニックは避けられた。ただ、これから実態
悪が表面化してくると、あらためて各国のスクラムの強さが試されて来る。金利協調にしても、ECBを見るように一枚岩ではない。

ロバート・プリングル氏
WAG(ワシントン合意)の後、全く新しい金市場が出来たと思っている。ダウンサイドは限定的で、かつ、アップサイドのポテンシャルが出てきた。しかし、相殺する力が働くもし、この
まま米国金利が下がり続けるなら、中央銀行はどうするのか。一方、投資対象としての金が意識されてくるのかが注目される。

■CSFB(クレディ・スイス・ファースト・ボストン)の撤退の影響は
ポール・ウォーカー氏
殆どの金市場関係者にとってショックだった。まず流動性の問題がある。速く入って速く出るというのが市場の鉄則だが、売買スプレッドに影響が出ることも有り得る。またカウンター
パーティ(金ディーラーを指す)の数が減っていることはヘッジも減少しよう。CSFBの持っていた在庫の問題などを踏まえると、プラスマイナス両面の影響がある。

豊島氏
全体的なリストラの一環と考えられるが、市場が薄くなるということでは、マーケットを動かしやすくなる、若しくは動きやすくなると見ることが出来るのではないか。

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