投稿者 sanetomi 日時 2001 年 10 月 27 日 09:38:28:
経済財政諮問会議は26日夜、首相 官邸で会合を開き、扇千影国土交通
相や武部勤農水相も出席して、公共事業に ついて議論を開始した。席上、牛尾治朗氏ら民間議員4人は「社
会資本整備の 在り方」と題する資料を提出、諮問会議が11月末にもまとめる経済・財政の中 期計画では、経
済や財政と整合的な公共投資水準を具体的に示す必要があると 指摘した。これに対し、扇、武部両相は単純
な公共事業の抑制に難色を示し、 初回から意見の食い違いが鮮明になった。
竹中平蔵・経済財政政策担当相は記者会見で、会議では2002年度予算編成 の基本方針や中期計画の策定
のため、社会資本整備について集中議論したと説 明した。
公共投資の対GDP比で応酬
民間議員は、国と地方の公共投資関係予算を2002年度は10%程度削減、2003 年度は5%程度削減すると、
5年後の2006年度の予算は今年度の73%程度に削 減できると試算。その際、名目国内総生産(GDP)の成
長率が2%程度と想 定すると、GDP(一般政府ベース)に対する公共投資の比率が、5%強から 3%台半ば
に低下し、欧米並みに近づいていくと指摘した。
これに対し武部農水相は、農林水産関係の公共事業は「農林水産業の構造 改革」や「循環型社会の実現」の
重要手段で「単に抑制する」との考えには同 意できないと主張。扇国交相も、日本の社会資本整備が歴史的
に遅れていたこ とや、地震や台風など国土条件が欧米と異なることなどを挙げ、公共投資の対 GDP比が欧
米と大きく違うのは当然との議論を展開した。
竹中経済財政相は会見で、社会資本整備では道路特定財源と長期計画の在 り方が問題で、「メリハリの利い
た資本配分を阻害する制度を見直す必要があ る」と強調。扇国交相と武部農水相も「改革は必要」との点で
は一致したとい う。民間議員提出資料に対しては、議員全員が賛成したわけではないが、「現実 性ある落しど
ころ」を探っていくことになったという。
また同相は、経済・財政の中期計画のフレームワークについて、「次回から 議論をスタートさせたい」と述べ、
「民間議員を中心に(議論の)体制をつくっ ていきたい」と語った。