投稿者 DC 日時 2001 年 8 月 24 日 00:32:55:
http://kabu.zakzak.co.jp/news/kiji/2001082202.html
野村“1兆円ファンド”が銘柄大幅入替
周囲は冷ややか
「どうやら、『Big Project−N(BPN)』が8月21日の1日で大幅な銘柄の入れ替えを実施した模様だ」
大手金融機関のマーケット担当責任者がこう言ってみせる。
改めて説明するまでもないと思うが、ここで言う“Big Project−N(BPN)”とは、野村証券の子会社である野村アセッ
ト・マネジメント投信が設定する超大型投資信託「ノムラ日本株戦略ファンド」のことを指す。
このBPNは、昨年2月2日に発売されて間もなく、その純資産額が1兆円を超えたことから、“1兆円ファンド”の異名を
とるなど現段階において間違いなく日本を代表する投信と目されているのが実情だ。
「日本ではこれまで純資産額が1兆円を超える超大型ファンドは過去存在したことはありませんでしたし、現状において
もBPN以外には見当たりません。そうした意味でBPNは、野村証券グループの旗艦ファンドであることは間違いありま
せんが、それだけにとどまらず日本の旗艦ファンドとでも言うべき存在にまで成長してしまったのです」(大手証券役員)
もっとも、そのBPNは、販売開始直後から運用結果は大きく低迷し続けることとなる。
こうしたBPNの運用低迷は現在も変わることなく、販売当初1万円に設定された基準価格は、8月20日現在で5656
円にまで暴落しているのが実情だ。実に40%以上も目減りしてしまったのである。
「どうやったらあれだけの損が出るのか不思議でしようがない。仮に目をつぶって運用したとしてもあれだけの損は出な
い」(外資系投信会社ファンドマネジャー)
こうしたコメントに代表されるように、BPNに対する専門家の評価は散々なのが実情だ。 「BPNの運用成績が低迷し
ている理由はハッキリしている。その理由は何と言っても、ITバブル崩壊の影響をストレートに受けてしまったことにある。
BPNはIT関連銘柄あるいはハイテク銘柄の組み入れ比率が高かったために、ITバブル崩壊の影響をモロに受けてしま
ったのです」(前述同)
ところがここにきて、BPNはその運用方針を大きく変えつつあるのではないか、という指摘が株式マーケットでささやか
れ出したのである。
8月22日、野村証券は三菱東京フィナンシャルグループ、みずほグループなどの“金融ビッグ4”株に対してまとまった
買いを入れると同時に、ハイテク株の売りに回った。
「こうした野村証券の動きについて、株式マーケットではBPNの銘柄入れ替えに伴うもの、という指摘がもっぱらです。
一説によると、1200億円程度の銘柄入れ替えが行われた模様です」(大手証券役員)
仮にこうした“指摘”が事実だとすると、BPNの資産の実に5分の1が入れ替わったことになる。
昨日、野村証券が朝から買いに動いた銘柄は銀行株と不動産株だ。そうすると、この両名柄については今後、“買い”
ということになるのだろうか。
前述の外資系投信会社ファンドマネジャーがこう断言する。
「いいえ、まったくその逆です。われわれの世界では『BPNの逆を行け』というのが常識です。従って、銀行株と不動産
株は“売り”なのです」
はてさて、読者諸兄はどのように判断するのだろうか。
#きのう、きょうの値下がりランキング・値上がりランキングを見ると笑ってしまいます。さすが、1兆円?ファンド。
http://kabu.zakzak.co.jp/news/kiji/2001082305.html
柳沢金融相のサン・プロ出演に市場注目
邦銀不良債権処理にどうコメントするか−
「今週の日曜日の“サンデー・プロジェクト”に、柳沢伯夫金融担当相が生出演するそうですね」(大手金融機関マーケッ
トセクション責任者)
今週に入って、複数のマーケット関係者が異口同音にこう口にするのを聞いた。
「マーケット関係者達の間では、この一件は比較的よく知られた話です。皆、柳沢大臣が不良債権問題に関してどの様
な発言をするのか、大いに注目していると言っていいでしょう。“サン・プロ”での柳沢発言しだいで、翌週の株式マーケッ
トは大きく動くことになるとみている関係者は多いはずです」(前述同)
ここで改めて説明するまでもないと思うが、前述のコメントに登場する“サンデー・プロジェクト(サン・プロ)”とは毎週日
曜日午前10時からテレビ朝日系列で放送されている人気番組だ。
この番組に関して、週半ばにしてその週のメーンゲストが誰であるかが外部に漏れているという状況は異例中の異例。
「言ってみればそれだけ注目されている、ということですよ」(前述同)
それでは、柳沢大臣の発言に関してマーケット関係者はそのどこに注目しているのだろうか。
「まず間違いなく、柳沢大臣は邦銀の不良債権処理問題の現状について聞かれるはずです。我々が最も注目している
のは、その種の質問に対して柳沢大臣がどの様に答えるのか、です。仮に『邦銀の不良債権処理問題はヤマを越えた。
現段階では問題のないレベルに到達している−』というような内容の発言をしたならば、いわゆる“外国人”と称される投
資家達は、一斉に株を売ってくるはずです」(外資系金融機関在日代表)
それはなぜか−−。
「我々−つまり“外資”サイドとしては、邦銀が保有する不良債権についてまだまだ大きな問題点を抱えている、と考え
ているからです。それにもかかわらず、柳沢大臣が問題ナシと発言するのであれば、我々としては、日本政府は銀行の
不良債権処理問題に関してその抜本的解決を先送りする、と判断せざるを得ません、つまり、日本は構造改革そのもの
を先送りした、ということに他ならないのです。そうであるならば、日本株については完全に“ウリ”ということになるので
す」(前述同)
ここでは、邦銀の不良債権処理問題が現時点において、実際にどのようなレベルに達しているかは、あまり大きな問題
ではない。彼ら−つまり、“外国人投資家”−が、どのような判断を下したかが、問題なのである。
「そしてここ最近の柳沢大臣の言動からすると、今週日曜日の“サン・プロ”で柳沢大臣が我々の予想するような発言を
する可能性は大なのです。そもそも、柳沢大臣については我々マーケット関係者サイドからは、“改革の抵抗勢力”と見ら
れているのが実情なのです」(大手金融機関マーケットセクション責任者)
いずれにしても、次の日曜日の“柳沢発言”には要注意、といっていいだろう。加えて、その発言が週明けの株式マー
ケットに与える影響についても要警戒だ。