薬害ヤコブ病訴訟の原告や支援者ら約300人が14日午後、国の謝罪を求め、手をつないで厚生労働省の周囲を取り囲んだ。「人間の鎖」を作って訴えるのは、昨秋に続き2回目。訴訟は、国と企業が原告患者一人につき約6000万円を支払う方向で和解協議が進んでいるが、原告が強く求めている国の謝罪はまだ実現していない。
正午すぎから集まった人々は互いに手をとりあい、午後0時半に輪が完成した。5年4カ月前に初めて訴訟を起こした滋賀県大津市の谷三一さん(53)は、マイクをとって「国が補償だけすればいいと考えていたら本当に情けない。心が晴れるよう謝罪してほしい」と呼びかけた。
薬害エイズでは95年、東京と大阪地裁が和解勧告を出してから5日後に、当時の厚相が「心からおわび申し上げたい」と記者会見で謝っている。一方、ヤコブ病は東京と大津地裁が国の責任を認める所見を昨年11月に出し、坂口力厚労相も原告患者に面会を果たしたものの、公式な謝罪はなされていない。(毎日新聞)
[3月14日14時50分更新]