【ワシントン斗ケ沢秀俊】米会計検査院は26日、BSE(牛海綿状脳症、いわゆる狂牛病)発生国からの牛肉輸入禁止などの発生予防措置に対する検査が不十分で、米国でもBSEが発生する恐れがあるとの報告書を上院に提出した。
BSEは英国や日本など世界23カ国で発生しているが、米国では発生が確認されていない。米食品医薬品局(FDA)は発生を予防するため、発生国からの牛肉や内臓などの輸入、動物に由来する飼料の使用を禁止している。
ところが、報告書によると、輸入品の表示ミスや検査員不足が原因で、BSE発生国の牛肉が米国に入る可能性がある。また、動物由来の飼料の禁止措置が徹底されず、長期間にわたり査察を受けていない牧場がある。査察の記録の管理も極めてずさんだという。
報告書は「米国でのBSE発生の可能性は非常に低い」としながらも、「発生した場合、経済的な損失は膨大になる」と指摘し、禁止措置の徹底を求めている。(毎日新聞)
[2月27日12時11分更新]