世界保健機関(WHO)の西太平洋地域結核対策諮問会議は19日、「BCG(結核予防ワクチン)の複数回の接種は効果がない」として、複数回接種をしている国に見直しを促す勧告をまとめた。日本では4歳未満、小学1年、中学1年時などに計3〜5回接種するのが一般的。厚生労働省の審議会が年度末を目標に進めている結核対策の見直しに影響を与えそうだ。
同会議によると、日本と罹患(りかん)率(人口10万人あたりの新規発症者数)が同程度の韓国は97年、シンガポールは01年に1回ずつの接種にしたが、罹患率などに目立った変化はなかったという。
BCGは1回目の接種については効果が認められている。しかし、2回目以降の接種は「それほど抵抗力が増えない」「ツベルクリン反応で結核感染の有無を判断しにくくなる」といったデメリットが指摘されていた。
同会議は19日までの3日間、西太平洋地域の37の国と地域から医療や行政関係者約80人が出席して大阪市で開かれた。 【関野正】(毎日新聞)
[2月19日19時16分更新]