強い疲労感や発熱などが続く原因不明の「慢性疲労症候群」の発病に、病原微生物リケッチアの一種が関与しているとみられることが、松田重三・帝京大医学部教授らの研究でわかった。大阪大学で開かれている同症候群研究会で15日発表される。リケッチアに有効な抗生物質を用いた治療が課題となる。
リケッチアはコクシエラ・バネッティという種類で、Q熱を引き起こす菌として知られている。松田教授らが、患者138人の血液について、コクシエラ・バネッティのDNAの有無を検査したところ、30人(21・7%)が陽性だった。健康な52人では陽性が5人(9・6%)で、有意な差が認められたという。
コクシエラ・バネッティは牛やヤギなどの家畜にいる菌で、人間に感染するとQ熱を引き起こすことがあり、急性では発熱、頭痛などの症状が出る。慢性になると、肝炎など合併症のほか、疲労感、脱力感など同症候群に似た症状が出る。(読売新聞)
[2月15日14時36分更新]