資料:ヤコブ病による死者は、最終的にはイギリスだけで12万5000人に達する可能性もある




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投稿者 ★阿修羅♪ 日時 2001 年 10 月 17 日 17:50:54:

回答先: 資料:これまで人間狂牛病に罹って亡くなった人は,遺伝子の構造によって特に潜在期間が少ない人に限られていた、他 投稿者 ★阿修羅♪ 日時 2001 年 10 月 17 日 17:49:18:

食肉汚染 狂牛病が世界に広がる?

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アジアや中東、東欧への拡大を国連が警告
途上国に広がれば経済への大打撃は必至だ
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ウィリアム・アンダーヒル(ロンドン) 2001/02/21


 危険がどこまで広がっているのか、誰にもはっきりとはわからない。だが、不安は
世界に広がっている。
 先週、国連食糧農業機関(FAO)は、100カ国以上の牛が狂牛病(牛海綿状脳症)に
感染している可能性があるという報告を発表した。
 牛の脳の組織を冒すこの謎の病気がイギリスで最初に確認されたのは、1985年のこ
と。以来、この病気が原因で死亡した牛はざっと18万頭にのぼる。
 狂牛病との関連が指摘されている人間の病気「クロイツフェルト・ヤコブ病」によ
る死者は、これまでに80人を超えている。ヤコブ病は、狂牛病にかかった牛肉を食べ
ることで人間に感染するといわれている。
 FAOがとくに懸念しているのは、東ヨーロッパ、中東、アジアへの狂牛病の拡大だ。
病原体に汚染されている可能性のある動物性飼料の使用をイギリス政府が国内で禁止
した後も、これらの国への輸出は続いた。
 専門家によれば、狂牛病による損害は、最終的にはもっと拡大する可能性があると
いう。この病気が人間に感染した場合、潜伏期間は数十年に及ぶといわれる。おまけ
に、末期になるまで発見は不可能に近い。
 ある研究者の推計によれば、ヤコブ病による死者は、最終的にはイギリスだけで12
万5000人に達する可能性もあるという。
 各国の専門家の間では、感染者からの輸血や、ベビーフード、スキンクリーム、ポ
リオのワクチンをはじめとする医薬品など、牛を原材料に用いているあらゆる製品の
安全性が議論になっている。

汚染飼料1グラムで感染

 不安をあおる情報は、毎日のように飛び込んでくる。
 イギリスの新聞は先週、イギリスのあるヤコブ病感染者(感染していることは未確
認だった)が提供した血液が、血友病治療に用いられる薬剤の原料に使用されていた
と報じた。報道によると、同じ原料から作られた血液製剤は、ブラジルやドバイなど
世界10カ国に輸出されたという。
 これに対し、イギリス当局は、ヤコブ病が血液感染するという証拠はないと主張し
ている。しかし、オーストラリアやアメリカなどでは、80年代から90年代前半にイギ
リスに6カ月以上滞在した人の献血をいっさい拒否している。
 狂牛病に感染した牛の肉を食べることは、依然として大きなリスク要因だ。
 狂牛病がイギリスで急激に拡大した80年代半ばには、畜産農家は、死んだ家畜の肉
をタンパク源として牛の飼料に混ぜて食べさせていた。
 現在では、この病気はきわめて感染力が強いことがわかっている。汚染した動物性
飼料を1グラム食べるだけで、健康な牛が狂牛病に感染すると考えられている。

発症例はもっと多い?

 しかし80年代半ばの時点では、この病気のことはあまりわかっていなかった。感染
が拡大している間もイギリスの業者は、汚染されている可能性のある動物性飼料を、
ヨーロッパを中心に大量に輸出し続けた。
 やがて、ヨーロッパ諸国でも不安が高まりはじめた。フランスは90年、動物性飼料
の輸入を禁止した。すると業者は、タイやインドネシアなど、それ以外の市場に向け
て輸出するようになった。
 狂牛病に汚染された牛肉を食べたことがヤコブ病の感染原因である可能性が高いと、
イギリス政府が認めたのは96年。動物性飼料の輸出は、それまで続いた。
 EU(欧州連合)の域外で、狂牛病の被害がどの程度の規模になるのかは、はっきり
したことはわからない。イギリスからヨーロッパの大陸諸国に輸出された動物性飼料
のかなりの部分は、仲買業者により第三国に転売されたとみられている。そうなると、
販売ルートを追跡するのはほぼ不可能だ。
 「販売ルートはクモの巣のように入り組んでいる」と、FAOのアンドルー・スピーデ
ィーは言う。
 FAOによれば、狂牛病の感染のリスクがいちばん小さいのは、オーストラリアとニュー
ジーランド、それに南米諸国だ。これらの国々では、飼料もほぼ国内で自給している。
 「カナダとアメリカは、狂牛病が入り込んでいる可能性が低い」と、FAOは指摘する。
「ただし(可能性は)ゼロではない」
 これまでのところ、イギリス国外で報告されたヤコブ病による死亡例は、3件にとど
まっている。フランスで2人、アイルランドで1人だけだ。
 汚染された飼料が原因で狂牛病に感染した牛は、ヨーロッパ以外では、カナダ、オ
マーン、フォークランド諸島でわずかに確認されているだけ。しかも、これらはイギ
リスで生まれた牛だ。
 しかし、こうした数字を真に受けると実態を見誤るおそれがあると、WHO(世界保健
機関)の当局者は言う。
 WHOの研究者は、狂牛病の発症例が見過ごされているケースが数多くあるとみている。
牛が死んでも、地元当局や農家は狂牛病が原因だとは考えもしない場合も多いだろう。

先が見えない病気の怖さ

 実際、ヨーロッパの大半の国では、昨年まで狂牛病はほとんど存在しないと考えら
れていた。
 しかし昨年、EUが本格的な狂牛病検査を指示すると、各国で続々と狂牛病の発症例
が報告されはじめた。今年に入ってからも、フランスで23頭、ドイツで20頭、スペイ
ンで15頭が確認されている。
 途上国で本格的に狂牛病感染が広がれば、大変な事態になりかねないと、専門家は
警告する。
 狂牛病騒動は、イギリスに莫大な被害を与えた。感染の拡大を防ぐために処分され
た牛は、400万頭以上。狂牛病対策に費やした費用は約60億ドルに達している。
 第三世界の国でこれだけの損害が出れば、多くの国の経済は壊滅的な打撃をこうむ
りかねない。
 「狂牛病がヨーロッパの豊かな国以外に広がらないことを願うばかりだが」と、WH
Oの狂牛病専門家モーラ・リケッツは言う。「実際、どうなるのかはわからない」
 はっきりしたことがわからない――それが、この病気のいちばん恐ろしいところだ。

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