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またもや、ビルダーバーグさんの発言に触発されて勝手な発言をします。
広瀬隆さんの本はたぶんおおかた読んでいると思います。
総括的に勝手な評価をしたいと思います。
まず、有用な情報があります。最近集英社新書に入っているような著作に顕著ですが、政治と産業がどのように結びついているかに関する有益な情報が得られると思います。以前、広瀬さん自身もロックフェラーもの(タイトル失念)を書いたあと、アメリカと深く関わるビジネスマンからそのような評価を意外に受けたと書いていましたが、ロスチャイルドものを含めて有益な情報が得られると思います。
次に、2つの問題点、思想的な問題と技術的な問題が広瀬さんの著作にはあると思います。
思想的な問題とは、結局依拠するところが人道主義的、環境主義的なような、単純すぎるような思想だからです。これは、難しい問題かもしれませんが、私は広瀬さんの単純な思想では大きな敵と戦えないと思っています。
技術的な問題とは、閨閥を中心に人のネットワークで権力を探るやり方です。これは、一面非常に有効だと思います。構造主義人類学などでは、婚姻(女または男のやり取り)を研究して社会の構造を考える方法があります。これが文明社会でも適応できるのは面白いですが、単純すぎるきらいがあります。たしか、「赤い楯」でカール・マルクスと何かが、スターリンとだれかがつながるというような個所があったと思いますが、この点は少し単純すぎて、関係性に説得力がない場合があります。権力のネットワークを探る方法論としては、広瀬さんの方法よりももう少し精緻な方法論が必要なように思います。
そういえば、私は広瀬さんの本の中では、「ジキル氏のハイドを探せ」がおもしろいと思います。