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(回答先: レス1:国債問題の基本 投稿者 あっしら 日時 2002 年 5 月 16 日 18:48:17)
レス1を踏まえて、斎藤氏が提示している国債暴落がもたらす経済状況について妥当性を検討する。
>国債が暴落すると、国債の利払い負担の急増と資金調達難で財政は直ぐにも破綻する
>だろう。
国債が暴落したといっても、国債の利払い負担が急増するわけではない。
既発債は約定通りに利子を払えばいいのだから、新規発行分の利子負担増だけである。
これも、インフレ率によって実質的な負担増になるかどうかが決まる。
国債が“暴落”という価格下落を見せるのは、“国債不安”が燃えさかるか、金利の急上昇である。
資金調達難や財政破綻という指摘については、日銀の直接引き受けに近いかたちで調達が行われる可能性が高いと思うので、資金調達難というより、ハイパーインフレが起きると予測する。
国家は、敗戦後も生き残ったように、とんでもない政策を実行してでもなんとか生き残ろうとするものである。
国債の暴落を、国家統治者が手を拱いている見ているだけということはない。
>1992 年頃まではごく一般的であった金利水準で、国債先物の表面金利でもある6%に
>まで国債の利率が上昇した時を考えてみよう。2002年度末の政府の長期債務残高は69
>3兆円であるから、国債の利率が6%とすると年間の利払い負担は約42兆円(単純化す
>るため全債務が6%になったと仮定)にもなり、年間の税収(約49兆円)の9割に達す
>る。国債の利率が7%になると、国債利息の支払いだけで税収の全てを使ってしまう
>ことになる。一般の予算はおろか公務員の給与さえも払えなくなるのである。もちろ
>ん、景気対策を打つことも、株価のPKO もできなくなる。
これも、新規発行国債の金利が上昇したからといっても、既発債を含む国債全体の金利負担が一気に増大するわけではないから、非現実的な想定である。
さらに、インフレ率やインフレに伴う税収増大を考慮していないのも疑問。
>加えて、国債を大量に保有する大手銀行の破綻が続出し、ゼロ金利だからこそ生き長
>らえている債務過大企業も倒産続出となろう。更には、同じように国債を大量保有す
>る日銀も信用不安に陥らざるを得ない。
銀行の破綻続出や日銀の信用不安は現実性がある。銀行を国有化したくなければ、そうしなくて済むかたちで公的資金を注入しなければならない。
日銀の信用不安は、ハイパーインフレや円安につながっていく。
「ゼロ金利だからこそ生き長らえている債務過大企業」という表現は、実質金利を無視した表現で、「追加融資とそれを認める政府=金融庁で生き長らえている債務過大企業」というほうが的確である。ゼロ金利=デフレと不況のシンクロで債務過大企業が次々と生まれているのである。
>要するに、国債が暴落すると、倒産の続出や失業者の急増ばかりでなく、国家財政も破>綻して株価と円の暴落も避けられないのである。ゼロ金利で辛うじて支えられている地>価も暴落するなど、文字通り日本は恐慌に突入することになる。だからこそ、財務省の>現下の最重要事項は、国債の暴落阻止なのだ。
国債の価格が下落しても、即、倒産の続出や失業者の急増に結びつくわけではない。
可能性が高率のインフレになれば、円安にはなるが、株価は上昇する可能性が高い。
地価はゼロ金利で辛うじて支えられているわけではない。担保価値の下落を恐れる銀行が、オープンでまともな取引で不良債権処理を行わず、相対で“投げ売り”をしているから、全体の地価低下に反映していないだけである。
日本は既に「管理された恐慌」状態であり、国債価格の下落で文字通りの恐慌に突入することはない。