(回答先: Re: アルゼンチン 投稿者 596 日時 2002 年 4 月 16 日 23:10:26)
596さん、こんばんわ。
>>中低所得者減税を行いGDPの60%を超える個人消費の総需要を拡大しない限
>>り、国内向け投資もそれほど行われません。
>低所得者減税を自民党政府はやりましたけれど、あまり効果はありませんでした。
それは、98年と99年に実施された2兆円規模の特別減税のことでしょうか?
そうだとすれば、「低所得者減税」ではなく、頭打ちはありますが高所得者ほど有利な減税政策です。
あの減税は、通常で計算された税額の20%を控除するというものです。
30万円の所得税を支払う人であれば、6万円が控除されるので24万円の納税でよく、75万円の所得税を支払う人であれば、15万円(これが頭打ちの額?)が控除されるので60万円の納税でいいというものです。
これでは、97年に、消費税が2%アップし健康保険料や年金保険料が上がったことさえ打ち消せないものです。
4人家族で500万円の年収であれば、12万円ほどの所得税を払うので、2万4千円の控除になります。
その家族が年間に250万円ほどの消費をすると想定すると、2%アップした消費税として、5万円負担することになります。
このようなことから、5万円−2万4千円=2万6千円の負担増になっているのです。
596さんが言われていることが98年と99年に実施された2兆円規模特別減税であれば、「低所得者減税」ではないのです。
>>しかし、改革が始まった91年に6.9%だった失業率は、95年に18.4%にな
>>り、今回の経済破綻時点では25%を超えたのです。
>>5000%のインフレでも、多くの人が就業でき最低限以上の生活を維持できるな
>>ら、0%のインフレで、多くの人が失業し生活不安に陥るよりましだと思っていま
>>す。
>5000%のインフレを10年続けると97656兆2500億分の1の貨幣価値に
>なってしまいます。日本円に直すと1万円札を月へ往復するよりも高く積み上げて飴
>玉1個も変えなくなってしまいます。
>メナム政権の直前にはひと月に200%のインフレだったといいますから1年で40
>96分の1の貨幣価値になってしまいます。それを止めたのだから、それだけで価値
>ある政権といわざるを得ません。
お金を抱きしめてずっと家に閉じこもっていた人なら、ご指摘のような被害に会うでしょう。
しかし、前回書いたように、(別に5000%のインフレ状況を容認するわけではありません。インフレの“修復”は銀行→企業・農業生産者の順番で行われ、一般勤労者・年金生活者・生活扶助受給者はそれらが“修復”=値上げした困窮を修復するというかたちで最後に追いつくことになります。そして、追いついたときには、既にインフレが進んでいるという悪循環です)というものですから、預金金利や債券利回りも5000%前後なのです。
断片的な数字の計算ではなく、全体の流れを考えることをお奨めします。
>アルゼンチンの企業は数多くの余剰人員を抱えていたので、不要人員を失業させない
>と会社全体がつぶれてしまって、失業者をより多くさせたでしょう。
>アルゼンチンは外国の後進国に比べて給料が高く、多くの人員を雇えるほど企業が繁
>栄しなかったのでしょう。
ご指摘のようなことは、10年間続けた1ペソ=1ドル政策で輸出競争力が衰えさせたり、失業者の増大で国内需要が減退させるという誤った政策で起きるものです。
アルゼンチンは外国の後進国に比べて給料が高いわけではありません。
(日本の給与も、中国の給与より20倍も高いとも思いません。購買力比較でいえば、せいぜい2、3倍といったものです。農民ではなく、工場労働者ベースです。大卒技術者や管理者であれば、1/4と言われていますが、実質は日本の同じ地位にある人とそれほど変わらないかかえって高いくらいです)
国家統治者は、個別企業でどうなのかではなく、経済社会全体で“余剰人員”ができるだけ出ないようにしなければならないのです。
それがすぐにはできない国家も数多くありますが、アルゼンチンはできる国家です。