(回答先: 「財政赤字は家庭内マージャンの負けと同じ」週間東洋経済3/30増大号 投稿者 あぼーん3世 日時 2002 年 3 月 29 日 18:00:45)
一年半くらい前のアメリカ経済絶好調の頃、アメリカ人一人
あたりの貯蓄率はマイナスでした。つまり全部収入を使い切っ
てあの程度の景気を維持していたのです。
太平洋上に浮かぶ裸族の島「日本島」では物々交換の手段
に合計1トンの紫貝を用いていました。
しかし島民はできるだけ多くの貝を使わないで家に溜め込
む習性がありました。
物は売れず、仕事はなく、村は存亡の危機に立たされまし
た。そこで困ったジミン村長は村人から合計300キロの貝を
借りました。それで橋を架けたり道を作ったりしました。
おかげで島民の生活はなりたち、さらに紫貝を溜め込みま
した。道や橋も使えるようになりました。
島民は300キロの貝を家にしまっていますが、ジミン村長
は村として借りた300キロの貝を返さなくてはなりません。
島民のためている貝は本来使われていなければ村が維持で
きなかったのですが、使われていれば手元にないものです。
そんなことを言うまでも無く村の借金300キロと村人の財
産300キロを相殺すれば0です。
財政赤字は外債以外は借り手も貸し手も「国民」なので、会
社や家計の借金とは全く性質の異なるものです。徒に騒ぎ立て
て国を破壊するようなことは愚かな事なのです。
最初から日本政府の借金とは本質的には日本国民の借金でし
かありえません。財政赤字は「日本人一人頭いくらの借金」と
説明されることがあります。
確かに貸し手の方は人間にせよ法人にせよ別人格の集まりで
、所有する債権の性質、量に差があります。一緒くたに扱われ
てはたまらないかもしれません。
そもそも政府が借金をしてまで金を使う理由は、日本社会を
維持するためでした。皆がその恩恵にあづかっているのです。
そうしてなかったら国民が今持っている資産も少なくとも同じ
だけ手元にはなかったのです。
長時間働くくせにやたら金を溜め込む人間の多い社会は、ど
う考えても経済が成り立つわけがないのです。大量に作ったも
のを全部誰が買うんですか?どこに投資したらいいんですか?
社会全体で一個の有機体として成り立っている国民経済で、
完全な個人責任とやらを持ち出すのは非現実的だし、論理的に
もありえないのです。国の経済政策は一社会を対象に行われて
いるのです。
モラルをうんぬんするんだったら、社会全体のことを考える
べきです。これだけ多くの人が生きている上に、多くの公共物
・私有品に囲まれ便利な生活と楽しい文明を享受しているのです。実はそうするのに精一杯で余分などなかったのです。日本
の貨幣とか債権の形の無形財産はほとんどが政府の借金政策が
生み出した幻影で最初から実体はないのです。
最後に島民が持っていた300キロの債権は島民の300キロの債
務(村の借金)と相殺すると0。そうすると貸した300キロが戻
ってこなくなってそれを手元にある300キロで埋めると0。はじ
めに戻りますが、生きてるし道路も橋も使えます。よかったよ
かった。
太平洋上に浮かぶ裸族の島日本島では貨幣として紫貝
が使用されている。
島民はよく働く一方で貝を貯め込む習性がある。
彼らが作った全商品の値札を合計すると800キロ。
ところが彼らは貝を節約して600だけ購入する。
そうするととたんに恐慌サイクルにはまるので村役場
が島民から200を借りて商品を買う。それで材料・食料現
物支給式の事業を行う。
これを10回繰り返すと2000キロ紫貝の財政赤字が生じ
る。一方で島民には2000の貯蓄と2000の債権がある。
はっきりしていることは村が借金をしなくてはいけない原因
も、その「村の政策」によって得をしている人間も共に「金を
貯めている人」である。彼らが村の(つまり村人の)借金返済
にとりわけ責任を負うのは当然である。
しかし実際には債権放棄はしそうにないので、結局紫貝をイ
オー島から大量に持ってくると同時に大事業を起こしてインフ
レということになる。
金持ちや企業はインフレによる資産の目減りは我慢しなさい
。さもなくば不動産や商品、株式の形にしてくれれば社会も自
分も助かるでしょう。金持ちのままでいられます。
さんざん今まで国の社会主義政策でうまい汁を吸ってきた人
たちが、自分の利益のために突然市場原理主義を振りかざして
他人を切り捨て国を崩壊させ外国の手に渡すのが「構造改革」
である。
村の赤字と村人の債権を相殺すると0。貸した貝が帰ってこ
なくて失った分を貯金で埋めて0。
村人は皆生きているし、身の回りのものも公共建築物も更新
されたり増えたりしている。よかった、よかった。
しつこいようですが、今までの日本ではある人が貯金をする
たびに財政赤字が増えるしくみになっています。そしてその貯
金の蓄積量は政府の財政赤字の賜物です。
「貨幣経済システム」は、よく働いて商品を大量に生産・販
売し、出来るだけ少ない商品を消費し貨幣を蓄積しようとする
人間の集まりでは成立しません。
日本政府は、日本社会を存続させるのがお仕事ですから借金
してでも商品を直接・間接に消費して日本経済を維持してきま
した。
これは会社経営のテクニックとも家計のやりくりとも全く異
なる国家社会の運営のありかたの問題です。失政とは言えませ
んし、すぐに変えれば破滅です。
日本社会の害悪は、蜜を貯める蜂のようにふるまう国民が貨
幣を商品や不動産、株などに転形させずにそのままの形で蓄積
し、結局は貨幣の流れと社会的再生産サイクルを滞らせるとこ
ろにあるのです。
だから日本の税制は売買取引を制限せずに活発化するような
しくみであるべきです。固定資産税、相続税、土地取引に関わ
る税などは縮小・廃止すべきでしょう。思いつきですが、銀行
預金に累進課税すると貨幣から商品・不動産等への価値の転形
が進み、投資も活発化して好景気・税収アップが実現するのでは?
消費税は売買を強く制限しますが、インフレによる現行年金
システム崩壊後に年金の財源とするため廃止しないほうがいい
と思います。
とにかく他人に責任やら借金やらを不当に押し付けられて、
国ごと外人に売りとばされ大もうけされたあげく、そいつらに
外人と一緒にえばりちらされるのは御免だから一応話を繰り返
します。
財産を預金という形で作ってきた人達が財政赤字の犯人であ
る。国家があれだけの財政出動をしていなかったら国民の間に
これだけの資産はできなかった。社会のためにあらゆる手段を
用いて財政赤字を処理するために国民の預金や債権が犠牲にな
ってもしかたがない。
よく「インフレ政策や政府の借金の踏み倒しは持てる者から
持たざるものへの資産の再分配」とか「日本の社会主義的政策
は一部の利権を持っている人達がうまい汁を吸っているだけ」
という意見がだされるが、それらはドロボウ的なウソである。
私に言わせれば日本は全ての国民が国の政策に頼って生きて
きたのである。とくに企業・金持ちほどその恩恵を受けてきた
のである。それを突然モラルがどうの利権がどうのといって、
若者や無産者にツケをまわしたあげく国を国際資本主義に売っ
て一儲けたくらむのはいかがなものか。
小・中・大金持ちは政策に助けられて社会を犠牲にして金を
貯めてきたのだからせめて日本国内で不動産や株や商品を買う
べきなのである。
そうすれば別に金持ちのままでいいんだし、最初からそうし
ていれば巨額の財政赤字も生じなかったのである。