投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 9 月 08 日 12:55:55:
[東京 8日 ロイター]
ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、日本政府が発行もしくは保証する円建て国内債券の格付けをAa1からAa2に引き下げた、と発表した。
格付けの見通しは、ネガティブに据え置く。また、外貨建て債務のカントリー・シーリングAa1は変更せず、格付けの見通しも安定的である、としている。これらは2000年2月以降の引き下げ方向での見直しの結論である、としている。
ムーディーズは、今回の格下げと見通しをネガティブに据え置くことについて、「政策の不十分さと構造的な問題により、日本政府の対GDP比でみた債務残高が、先進国中で最も高い水準となったことを背景としている」と指摘。
さらに、「年金・社会保障制度について高まっている圧力、財政投融資計画、地方財政および金融部門に関連している偶発債務の問題によっても、日本の公的債務の問題は複雑化している」と述べている。
さらに、「日本の景気は、1997年~98年の低迷期から回復しているが、中期的な見通しは依然として不透明で、依然として下方リスクにさらされていることから、格付けの見通しをネガティブに据え置いた」と説明している。
また、日本の財政・金融政策の行方に関し、「現在の経済状況では、金融政策と財政政策の両面からの下支えが依然として必要であるものの、将来的に財政再建に向けた政策が求められるだろう。日本経済をより高い成長軌道に乗せるためには、経済の構造改革とリストラクチャリングのプロセスが必要となろう。そうでなければ、公的債務の問題は悪化し続け、長期的には、金利動向や投資家からの信認の変動からの影響をさらに受けやすくなる可能性がある」と指摘している。
他方、「日本は、相当の基本的な強さを持っていることから、他の先進諸国よりもやや高い水準の公的債務を抱えていても、他の先進国が経験したような経済のゆがみや財政混乱に見舞われることなく債務を維持していくことも可能と考えられる」としている。