東証“8連敗”の深刻度、ドロ沼化も… (8日夕刊フジ)

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投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 9 月 09 日 10:43:00:

回答先: <NY円相場>国債格下げで円が売られ一時1ドル=106円台(毎日新聞) 投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 9 月 09 日 10:19:22:

東京株式市場の株価が下げ止まらない。先月29日からきのう7日まで8営業日も下げ続け、平成10年8月以来2年1カ月ぶりの“連敗”を記録。きょう8日はやっと反発して取引が始まったが、今後の先行きには悲観的な見方が多い。連敗の最大の元凶は、大手銀行による保有株式の大量放出だ。株を売られた一般企業側も保有する銀行株をたたき売っている。いわゆる「持ち合い解消売り」である。解消売りは年間6兆円にも上ると指摘されており、株価は底値が見えないドロ沼状態に陥る可能性もあるのだ。
「ジリジリと小幅な下げが続くというのは何とも嫌な展開だ。下値を確認し反発する機会を失ってしまっている。経験則からいって、9月後半にドカンと大きく下げ、株価の底が抜けてしまう恐れがある」
あるベテラン証券マンはこう表情を曇らせた。
東証の平均株価は、8月4日に年初来安値である1万5667円36銭まで下落した後、半導体や情報通信などIT(情報技術)関連株を中心に反発局面に入り、28日には直近の高値である1万7181円12銭まで回復した。
ところが、そこから一転しての8連敗である。この間の下げ幅は880円66銭、率にして約5%と小幅に止まっているが、かえってそれが「不気味」と受け止められているのだ。
連敗の最大の“戦犯”は銀行だ。8月後半以降、急激に保有株の売却を加速させているのである。東証一部の投資家別売買動向によると、金融機関による「売り越し額」は8月第3週の273億円から、第4週には1250億円に激増。8月最終週以降もさらに増勢が続いている。
外資系証券のアナリストが解説する。
「銀行と一般事業会社が相互に持ち合っている株式を売却する持ち合い解消売りは、ここ数年間続いてきた株式市場のトレンド。しかし、複数の要因が重なり、9月中間期決算に向けたこの時期に一極集中し、大量放出されている」
複数の要因とは、(1)大型倒産の続発に伴う不良債権処理の増加(2)大手銀行の経営統合・合併による金融大再編(3)時価会計の導入−である。
7月のそごう倒産以降、ゼネコン、流通、商社などの大型倒産のリスクが高まっているほか、問題企業からの債権放棄(借金棒引き)要請が相次ぐと予想される中、それに備えた資金確保を急いでいるのだ。
実際、ある大手都銀幹部は「熊谷組からは正式な債権放棄の要請はきていないが、今年度の株式売却計画を前倒しし、引当金を積み増した」と明かす。
金融大再編は二重の意味で銀行の株式売却を促している。まず、統合・合併に伴う合算で増えてしまう持ち株を減らさなければならない。銀行については、一般事業会社の経営支配を防ぐため、銀行の一般企業に対する持ち株比率は「原則5%以内」というルールが設けられている。
大再編の先陣を切って今月発足する第一勧業、富士、日本興業による「みずほフィナンシャルグループ」の場合、持ち株比率が6%を超える企業が約250社もあり、大量の持ち株放出を迫られているのだ。
さらに、統合・合併の前に不良債権を処理し身奇麗にしておきたいとの思惑も働いている。
前出の証券アナリストは「大再編で4つのグループに集約される大手銀は、それぞれに融資先企業の選別を進めており、今後、切り捨てが加速する。メーンバンクを務めている企業の株を売るわけにはいかないが、それ以外の企業はドラスチックに手放しており、持ち合い解消売りと融資先企業の切り捨てはリンクしている」と指摘する。
時価会計の導入については、2002年3月期までに金融商品を含めて完全実施される予定。期末の株価に応じて、保有するすべての株式の含み損(益)を決算で表に出し処理する必要が出てくる。このため、含み損を抱えた銘柄は、あらかじめ段階的に処理しておこうというわけだ。
一方、銀行が一般企業の株を売るなら、一般企業側も保有する銀行株を手放しており、銀行株の全面安につながっている。
中でも、みずほの3行は「不協和音の噴出に伴う先行き不安」(市場筋)も重なって売りを浴び、今回の8連敗の期間中に、いずれも10%以上の大暴落をとなっている。
大手民間シンクタンクの推計によると、今年度の持ち合い解消売りは、「都銀・長期信用銀行・地銀が3兆円、生命保険会社が1兆円、一般事業会社が2兆円の計6兆円に上る」としている。さらに、来年度も同規模の売りを想定。また、大手銀行9行の解消売りは「今年度が2兆3900億円。99年度から2002年度までの4年間で8兆2500億円」と推計している。
株式評論家の植木靖男氏は、今後の株価動向に強い懸念を示す。
「今回の下げはかなり深刻だ。9月後半から10月第1週にかけ、8月4日の年初来安値を更新し、さらに1万6000円を割り込む可能性もある。持ち合い解消の売りはいわゆる『オールドエコノミー銘柄』に集中しているが、米ナスダックで半導体などハイテク株が下げていることに連動し、8月に上げた日本のハイテク株も調整色を強めている。これに大型倒産などのショックが重なれば、株価の底値が見えなくなる」
果たして株価はどこで下げ止まるのか…。



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