投稿者 DC 日時 2000 年 9 月 07 日 00:02:58:
http://www.asahi.com/0906/news/business06017.html
ソロス氏が市場万能主義の限界を指摘
「市場の力にすべてをゆだねるのは危険です。民主主
義、自由といった公共の利益を保証するには、国際機関
や国際ルールの強化が必要だ」――巨額の資金を動か
すヘッジファンドの総帥で、「アジア通貨危機の仕掛け
人」と名指しされたこともあるジョージ・ソロス氏が5日、
ニューヨークの国連ミレニアム・サミットに関連した「ワー
ルド・フォーラム」で講演し、市場万能主義には限界ある
との自説を展開した。
同氏のファンドは、一時は200億ドル(約2兆1000億
円)を動かし、世界の金融市場に影響力を持った。だ
が、1998年のロシア危機で巨額の損失を出し、欧州単
一通貨ユーロ、米ハイテク株への投資でも失敗。今春に
は、主力ファンドを低リスク運用型に再編する方針を打ち
出した。
ソロス氏は、「公共の利益を追求するべき国家の役割
が、縮小している」と分析。巨額の投資資金が、国境を
超えて自由に行き来する時代になってからは、各国とも
資金の流入を遮るような規制を避ける傾向があると指
摘。「資本主義は富の蓄積には有益だが、自由や公平
を保証するものではない」と、グローバル化する資本主
義に対して警告した。
さらに国連、国際通貨基金(IMF)、世界貿易機関(W
TO)などの国際機関が、各国間の貧富の格差解消など
に役だっていない点を指摘し、「(環境保護、労働条件の
改善といった)世界共通の原則を守るうえでも、国際機
関や国際ルールの強化が必要だ」と主張した。(23:43)