日米安保：核兵器搭載も事前協議の対象外　秘密合意文書に

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投稿者 8/30 毎日日時 2000 年 8 月 30 日 18:11:18:

回答先: 日米安保密約の全容判明　核持ち込みは事前協議の対象外投稿者 8/30 朝日日時 2000 年 8 月 30 日 09:50:39:

日米安保：
核兵器搭載も事前協議の対象外　秘密合意文書に

　【ワシントン３０日中井良則】核兵器を搭載した米軍の艦船、航空機の日本への寄港や
通過と、朝鮮半島有事で米軍が日本国内の基地から出撃したりする場合について、日米安
全保障条約の事前協議の対象としないことで日米両国が１９６０年に秘密合意していたこ
とを示す米政府公文書が３０日、明らかになった。ワシントンの民間組織「国家安全保障
文書館」が昨年、米国立公文書館で機密指定を解除された文書を入手した。

　日本との事前協議を必要としない項目の中に「装備にかかわらず、米国の艦船、航空機
による日本の港、航空基地の通過（トランジット）」と明記されていた。核兵器持ち込み
（イントロダクション）は事前協議の対象と記載されており、通過と持ち込みを区別する
ことで、核兵器の寄港や飛来を日本が認める文書となっている。

　冷戦中に核兵器が事前協議なしで日本に持ちこまれていたことを示す米国の公文書はこ
れまでも明らかにされているが、日本政府は「密約はない」との立場をとっている。

　ロバート・ワンプラー国家安全保障文書館米日特別文書プロジェクト部長は「“通過”
を事前協議の対象からはずすことで日米安保条約に最初から抜け穴を作った。米国は日本
が核持ち込みの是非を判断するのを避け、日本側も米国が条約に従っていると説明するこ
とができた」と述べ、現在でも米国の判断だけで核兵器の沖縄や日本の「通過」は可能に
なっていると指摘した。

　明らかになった文書は、国務省が６０年の安保条約改定後、議会向け説明資料として作
成した。「協議取り決めの説明」と題された文書は、事前協議の行い方について日本と合
意した取り決め（未公開）の要約とされ、協議が必要な事項、必要でない事項を列挙して
いる。必要な事項には「日本への核兵器の持ちこみ（イントロダクション）」など５項目
が含まれる一方、協議が不必要な４項目の中に「米艦船、航空機の通過」「極東地域への
米軍の移動」などが記載されていた。

　また、事前協議の実施を定めた交換公文の日米交渉を記録した「討議記録」文書による
と、「事前協議は米軍とその装備の日本への配備や、米軍用機と米海軍艦船の日本の領
海、港湾への立ち入り（エントリー）に関する現行の手続きに影響を与えると解釈されて
はならない」と述べ、「通過」は対象外とすることを確認している。

　ワンプラー部長は「通過とは、航空機や艦船が日本の港や基地に入り、何日かあるいは
何週間か滞在したあと立ち去ることだ。滞在期間の時間制限はない。冷戦後の現在も、も
し米国がアジアの軍事危機に核兵器使用を含めて対応する計画を持っているとしたら、日
本は当然、核兵器を展開する地域となるだろう」と述べた。

　また「協議取り決めの説明」文書によると、新安保条約発効後、最初の日米安保協議委
員会で、藤山愛一郎外相が日本政府の見解として「韓国の国連軍が攻撃された場合、日本
の基地施設は在日米軍による軍事戦闘作戦に使用されうる」と発言する予定が記載されて
いた。朝鮮戦争が再発した場合、事前協議なしで米軍が日本の基地を利用できることをあ
らかじめ認めることを裏付けている。

　宮家邦彦・外務省日米安全保障条約課長の話　こういう文書についてコメントする立場
にはない。歴代の外相、首相が答弁しているとおり、事前協議にはいかなる密約も存在し
ない。

　「国家安全保障文書館」が入手した文書の事前協議に関する項目は次の通り

　◆事前協議が必要な事項（機密）

　Ａ、日本から日本国外の地域に向けて行われる戦闘作戦

　Ｂ、日本への核兵器持ち込み

　Ｃ、日本への中・長距離ミサイルの持ち込み

　Ｄ、日本における中・長距離ミサイルを含む核兵器基地の建設

　Ｅ、米軍の日本への配置に関する重要な変更

　◆事前協議が必要とされない項目

　Ａ、兵たん補給のための日本国内の基地使用（非機密）

　Ｂ、日本から米国あるいは極東の他の地域への米軍と装備の移動（非機密）

　Ｃ、装備にかかわらず、米軍艦船と航空機の日本国内の港、基地の通過（機密）