Tweet |
森首相"失言"で足元すくわれる?
20世紀最後になるであろう世紀末総選挙。21世紀のこの国の姿を占う一
大事だが、政治不信を反映してか、投票率が大幅に伸びそうだ。
アンケートで投票に「行く」と明言したのは731人にも達し、「分からな
い」は127人。「行かない」は142人にとどまった。投票率低下傾向が定
着している都心部だが、東京だけをみると8割強が「行く」と回答。戦後最低
となった前回総選挙の投票率(小選挙区)59・65%を大幅に上回る情勢。
今回の総選挙では、連立与党「自公保」の枠組みが信任されるかどうかも一
つの焦点だが、投票に「行く」「分からない」と回答した人の投票行動を聞い
たところ、自民党を選んだ人は20・3%、「自公保」では25・8%となっ
た。一方、野党第1党の民主党は15・7%で猛追の勢い。共産、自由両党も
それぞれ5・4%、4・9%と善戦している。与党の強みで一歩リードの感も
ある「自公保」だが、態度未定は43・4%にも達し与党にとっては不気味な
存在だ。
首相の資質まで問われた森首相の「神の国」発言だが、投票に際し判断材料
になるかどうか聞いたところ、「なる」466人、「ならない」365人。野
党はこぞってやり玉に挙げているが、多数を占める態度未定者がどう判断する
か最大の注目点とも言えそうだ。
いわゆる無党派層が多数を占めている現状で、投票率に大きく影響される各
党の獲得議席数。投票率が低下した前回総選挙で復調した自民党だが、無党派
層が多く投票所に足を運ぶとなると、政権に黄信号がともるのは必至。投票率
が65%を上回り、与党3党の幹事長が勝敗ラインとする「254」を割る事
態になれば、参院選惨敗の責任を取り在任2カ月余りで退陣した宇野宗祐首相
のように、森首相が早々と首相官邸を去る日も来そうだ。
◆◆ 投票率70%可能に 自民党229議席超え単独過半数獲得も ◆◆
今回の世論調査の結果について、政治広報システム研究所(東京・赤坂、久
保田正志代表)は「選挙に対する有権者の関心が高いことは明らか。この意識
が投票行動につながれば投票率は限りなく70%に近づくだろう」と指摘した。
同研究所によると、自民党はすでに全国で170議席程度を固めており、比
例区の票の伸び方によっては執行部の「責任ライン」の229議席を超え、単
独過半数獲得も可能。公明党は30議席台を獲得しそうで、保守党は2ケタの
議席に手が届くケースもありそう。
一方、民主党がこれまでに固めたのは50議席弱だが、最終的には100議
席の大台に乗る見込み。共産党は前回獲得議席を上回り、自由党と社民党も2
ケタ議席を獲得しそう。
◆◆ 石原慎太郎氏が2位「誰が主にふさわしいか」 ◆◆
アンケートでは「誰が主にふさわしいか」を各党党首、実力者ら15人の名
前を挙げて(グラフ参照)聞いたところ、田中真紀子元科学技術庁長官の名前
を上げる人が226人とダントツ。2番手につけたのは、昨年4月の都知事選
で圧勝した石原慎太郎知事。周囲をはばかることなく、歯に衣着せぬ物言いを
続ける傍若無人ぶり?に人気が集まったと言えそうだ。
森首相は51人で5位に甘んじたが、対する鳩山由紀夫民主党代表は45人
で8位と伸び悩み。前代表の菅直人政調会長が63人で3位という皮肉な結果
が出た。
http://www.sponichi.com/soci/soci2.html