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回答先: 石原発言集会4/30本多勝一発言（内外タイムス） 投稿者 Y.M. 日時 2000 年 5 月 21 日 02:14:04:
ルポライター鎌田慧氏
石原慎太郎という人間は、われわれ日本人のもっとも醜いところから送り出された存
在だ。われわれとまったく無関係な人間ではない。
彼の問題発言は「第三国人」という差別発言と、「治安出動」という問題の２つあ
る。
なぜ彼が差別発言するようになったか根拠を具体的に解明していかないとまずい。彼
は差別発言だと思ってない。差別発言によって傷ついたり、自殺したりする人がいる
ような現実があっても、それを感じないという状況を、石原氏がいみじくも表してい
る。
それは例えば、侵略で膨張していく状況であるし、「愛国主義」に向かっていく状況
であるし、日本人と外国人を差別していく構造だ。そういう風な政治的状況の上に石
原氏の発言があった。それはまさしく僕たちの責任である、ということだ。
もうひとつの問題は、自衛隊の治安出動。これはもう戒厳令だ。戒厳令で軍隊が出動
するってことは、相手を殺すということ。暴動を起こしている外国人を殺すというこ
と。軍隊は殺すこと前提に出動する。
１９２３年９月１日の関東大震災で戒厳令が出され、朝鮮人、中国人が虐殺された。
この時の警視総監は、朝鮮半島で３・１５運動を弾圧してきた人間だった。だから恐
怖心があった。その警察官僚の恐怖心が、軍隊の指揮官の意識の中に反映してきた。
石原氏の中にもそういう恐怖があって、恐怖と憎悪を彼はいま一生懸命かき乱してい
るわけだ。
戒厳令はこの外国人が暴動したときに、出動して殺すだけじゃない。関東大震災でも
大杉栄ら社会主義者が殺された。亀戸で労働運動をやっていた労働運動家たちも殺さ
れた。その事実は２週間ぐらい、まったく闇に葬られていた。
朝鮮人や中国人が街角で不審尋間された。不審尋間したのはごく普通の市民だ。例え
ば「１５円５０銭と言えるか」といって尋問する。すると「１５円５０銭」と発音で
きない人たちがその市民たちに殴り殺されたという事実がある。僕も青森県人だから
関東大震災のときに、生きてたら僕は「１５円５０銭」というのが発音できなくて、
殺されていたかもしれない。
知事は治安出動を要請する権利を持っている。だから何かあった場合は、石原氏はす
ぐ、治安出動を要請するだろう。そういう風な危ない知事をぽくたちは選んでいる。
今回の問題は差別の問題と軍隊の問題という、両方最も今日的な問題を合んでいなが
ら、なんらたいした政治的な問題になっていない。石原氏は辞任するようなことも全
然考えていない。
そういう開き直りをそのまま日本人が認めてしまっている。そういう意味で、差別発
言も、治安出動発言も、それを聞いた僕らに突き付けられた宿題だと思う。
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