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東京 5月25日(ブルームバーグ)
米商業用通信衛星メーカー大手のヒューズ社が、人工衛星打ち上げサービス提供のロケットシステム(東京都港区)と交わした宇宙開発事業団の次期主力ロケット「H2A」を利用した打ち上げについての契約の解消を要請していることが25日、明らかになった。ロケットシステムの津田義久社長が語った。
同契約には「H2」が2回連続で打ち上げに失敗した場合、ヒューズ社が契約を破棄することができる条項がある。H2ロケットは1998年2月と1999年 11月に打ち上げに失敗し、「H2A」の商業用打ち上げが遅れる見込みとなったため、ヒューズ社が解約を求めたとみられる。津田社長は「打ち上げ料は言えないが、計10機を見込んでいた」と述べたが、「(契約解消については)現在交渉中で、最終決着はしていない」としている。
H2AロケットはH2ロケットに比べ、1回の打ち上げ費用が半分の85億−90億円で済む後継機で、気象衛星「ひまわり」と同じ高度3万6000キロメートルに4トンの衛星を打ち上げられる利点がある。
ロケットシステムの主要株主構成は、三菱重工業、石川島播磨重工業、川崎重工業、日産自動車、NEC、三菱商事が各4%。 東京 井上 徹二 Tetsuji Inoue KO