神の花嫁が見た“終末の幻” ビンゲンのヒルデガルト(『ムー』99年1月号)

 
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投稿者 SP' 日時 2000 年 5 月 18 日 18:34:59:

回答先: ノストラダムスの手紙からましな部分…? 投稿者 SP' 日時 2000 年 5 月 18 日 18:24:48:

文=林 陽

法王も認めた「真実の天啓」

 キリスト教世界で、“聖人”と呼ばれる人は数多い。しかし“予言者”となると、その数は限られる。しかも数百年後の事件までピタリと当てるほどの予言の才を持つ人となれば、さらに数えるほどしかいないだろう。
 聖ヒルデガルトはまさにそんな“聖人”だった。彼女はなんと、500年先、900年先のことまで正確に予言。それに照らし合わせてみると、どうも現代は「最終段階」に突入したようなのだ。
 詳しいことは後述するとして、まずその生い立ちを追ってみたい。
 ヒルデガルトは1098年、ドイツのバーメルハイムの大土地所有者の末娘として生まれた。兄弟姉妹は、全員、司祭と修道女になる。
 彼女は胎内にいるときのことを正確に記憶していたといわれ、5歳のころから、神を幻に見るようになったと伝えられる。8歳のときベネディクト派の修道院に入り、女隠者ユッタに師事。15歳で正式に修道女となり、38歳から女子共同体の指導者になった。
 早くからヒルデガルトの幻視と予言の才能に注目したのが、修道院の主任司祭ポルマール神父である。彼は彼女の口述を逐一記録にとり、長上に報告しつづけた。
 やがて彼女の幻視は、ときの法王エウゲニウス3世によって「真実の天啓」と認められたのである。
 1147年、ヒルデガルトはルペルツベルクに女子共同体を移し、初の女子修道院を設立。彼女はここで81歳の生涯を閉じるまで啓示を受けつづけ、多くの著作を残した。
 代表作のひとつ『各種被造物の微細性に関する9つの書』は、百科事典的な論理構成でつづられた自然科学書で、動物界、植物界、鉱物界についての“霊的な洞察”や、治療面での有効性を語る。
 また、姉妹編の『複合医学書』は、病気の原因と治療法をまとめた大著。最近、ここで論じられる自然医学の有効性が注目され、つぎつぎに翻訳されている。
 さらに彼女は、自分が聞いたという“天界の音楽”を譜面に移し、幻想的な聖歌をたくさん創作した。現在、それらはテープやCDとなって、世界中で販売されている。

現代の環境問題もずばり的中!

 ところで、数多い著作のなかでも、特に注目されるのが、『スキビアス』(主の道を知れ)と『リベル・ディビノルム・オペルム』(神業の書)というふたつの予言書だ。そこには天地創造から人類の最終的な救済に至る歴史が、幻視とその解釈という形で克明につづられているのである。
 ヒルデガルトはいったいどんな歴史を幻視したのか? 彼女の時代から見た未来に関する“予言”を具体的に見ていこう。『神業の書』に次のような予言がある。
「王子たちと国民が教皇の権威を否定する時代がくる。各国は教皇より自分たちの教会指導者をとるようになる。ドイツは二分される」
 この予言を残してから400年後、宗教改革によってプロテスタント教会が誕生。多くの国々が新教を奉じるようになった。つまり、「教皇より自分たちの教会指導者をとるように」なったのだ。
 さらに、宗教改革から400年後の1949年、その中心となったドイツは東西に「二分」されてしまう。そう、彼女の予言が現実化したのである。
 こればかりではない。なんと、戦後のヨーロッパの重工業化による悲惨な公害やあの環境ホルモンの問題をも予言していたのだ。
「神の命令によって、重たい霧と最も濃密な塵を運ぶ力強い風が北に起こり、人々の喉と目を冒す。……それから、7人の女がひとりの男をめぐって争うようになるほど、男の数が減る」
 ヒルデガルトの故国ドイツから見た「北」とは、北海から北極にかけての地域である。今や北海は地球最大の汚染地域だ。周辺河川から大量の汚染物質が流れ込み、それらが海底に溜まって硫化メチルを産みだし、これが大気中に放出され、欧州全域の酸性雨の3分の1を作りだしている。
 さらに北極は、北半球のスモッグが集中する場所だ。この黒く「重たい霧」(北極霞という)には、多量の重金属、窒素酸化物、硫黄酸化物が含まれていて、これが∃−ロッパに逆流する現象が起きているのだ。「目」と「喉」は、そんな公害によっていちばん冒されやすい粘膜である。
 また、最近では環境ホルモンの影響による「精子の減少、奇形」が問題になっている。まさに「男の数が減っている」のだ。

世の終わりに大彗星が来る!?

 現代を語るこんな予言もある。
「大彗星が来る前に、善良な人々を除き、多くの国々の民が欠乏と飢えで清められる。相異なる家系と種族の民が共存する大洋の中の大国は、地震、嵐、津波によって滅びる。この国は二分され、その多くが海没する。この国は、海辺で多くの悲劇に遭い、虎と獅子によって東洋の植民地を失うだろう」
「大洋の中」を“大洋に囲まれている”という意味に解釈するなら、「大国」とは太平洋と大西洋の間にある国ということになるだろう。となると、アメリカのことか。
 確かにアメリカは「相異なる家系と種族が共存する」多民族国家で、現在、地震やハリケーン、洪水などで悩まされている。またかつて戦時中、アメリカ領のフィリピン、つまり「東洋の植民地」を日本軍に奪われた歴史がある。
 さらに「国が二分され」とは、二大政党の対立の激化を、また、「東洋の植民地」とは、じつは、アメリカの安保上重要な位置を占める日本のことなのかもしれない。
 それにしても気になるのが、冒頭の「大彗星」がもたらす大災厄だ。
「はかり知れぬ力を持つ大彗星が海から多くの水を押しだし、多くの国々に洪水を起こし、多くの飢饉と疫病を生む。海岸沿いの都市はみな震えあがり、多くが津波によって破壊される。生物のほとんどは死に絶え、免れた者さえ恐るべき病によって死ぬだろう」
 今のところ、アメリカをはじめ、世界のどの国々も、この予言にあるような大災厄を被っていない。だが、彼女によれば、それは世の終わりに起こるという。では、「世の終わり」はどんな形でやってくるのか?
 まず“反キリスト”が登場するらしい。「∃ハネの黙示録」で人類に刻印を押すといわれている、あの「獣」だ。
「滅びの子、狂気の殺戮者は終わりの時代に臨み、地球がその軌道を外れるときに到来する。この欺瞞者の母親は男たちと汚れた密通を重ね、どの男の精子により孕んだかもわからぬ滅びの子を宿す」
 反キリストは、イスラエル12部族のひとつ「ダン族」から生まれるという。彼は幼少から魔術を教育され、成人するとキリストに似た宗教的天分と奇跡の力を発揮し、「ユダヤ人の救世主」として、世界に迎え入れられるらしい。
「彼は、地を動かし、山を崩し、河を干上がらせ、雷と雹を起こし、森から緑を奪い、再び緑を森に戻す。健康な者を病にし、病める者を健康にし、悪霊を祓い、ときに死者を起こす。自分を剣で刺し殺し、復活の日まできれいな布にくるんでおくよう信者に命じ、殺されたと思わせて復活を演出する」
 この反キリストには強力なバックアップが現れるという。「偽法王」だ。
「彼はイスラム教からの改宗者で、 枢機卿に昇りつめる。そして、選出されたばかりの新法王を暗殺し、自分を法王に選出させるだろう。彼は、キリスト教徒の3分の2を味方に引き入れる」
 さらに予言はこう続く。
「彼は、各国首脳、軍部、大財閥を配下に入れ、彼を信じぬ者を滅ぼし、全世界を従える。彼の刻印は地獄の洗礼。人はそれによって、反キリストと悪魔の使徒の判を押され、サタンの力に自分を譲り渡す。この刻印を持たぬ者はだれであれ、売ることも買うこともできず首をはねられる。そのころエルサレムには、キリスト者の血が川のように流れるだろう」
 偽法王と反キリストの結託。それによって、数億のキリスト教徒と全世界の金融とメディアを動かすユダヤ人が「獣」の支配下に入れられてしまうという。政治、経済、軍事力、あらゆるシステムが彼らの手中に落ち、人類は「この刻印を持たぬ者は売ることも、買うこともできなくなるほど」彼らによって、完全に支配されてしまうというのだ。
「キリスト者」に象徴される、反キリストに反対する人々が抵抗を試みるものの、ことごとく弾圧され「首をはねられてしまう」。獣の完全な支配の前には、むなしいあがきにすぎないのである。
 なんと恐ろしい予言だろう。もしかしたら、こうした事態は、もう進行しているのかもしれない。
 さて、完全な支配をはたし、地上最高の権力を握った時点で、反キリストは自分を「神」と宣言。最後の奇跡を試みるが、そこには意外な結末が待っているという。
「昇天の計画は、精巧な装置を巧みに操縦することによって準備された。その出来事が起こる瞬間、耐えがたい悪臭を放つ雲が発生する。昇天の瞬間に落雷が彼を襲い、打ち殺す。この事件を通して多くの人が正気に戻ることだろう」
 地球の支配を完成させた反キリストは、宇宙に飛び立ち、さらなる支配を全宇宙に広げようとでもいうのか? それとも、地上を完全に破壊すべく、恐ろしい兵器でも発射させようというのだろうか? いずれにせよ、何らかの形で、彼は神を騙る「最後の仕上げ」を試み、その絶頂で失敗する。

一時的な平和の後のほんとうの結末

 戦慄すべき反キリストが倒れた刹那、人々は正気に戻る。その後の世界を予言はこう語る。
「荒廃と戦争に続き、キリストの再臨を前に、一時平和な時代が来る。神は、最も豊かな祝福を人類に注がれ、豊作とまばゆいばかりの繁栄が地上に広がる」
 真に平和な時代が来る……。だが、これが結末ではない。予言はさらに未来へ向けられているのだ。
「諸元素は突如、予期せぬ動きによって解き放たれ、全被造物が激しい動きに投げだされる。火は燃えつき、風は分解し、水は涸れ、地は揺さぶられる。閃光が炸裂し、落雷が起こり、山脈は砕け、森は倒れ……生き物はすべて死滅する。火は大気を燃えつくし、水は全地を呑みつくす。こうして……この世の汚れたものはみな消滅する」
 じつにすさまじい光景だ。これは大彗星の接触が引き起こす「ポール・シフト(極移動)」による大災厄を語ったものではないか。
 さらに予言は続く。
「立ち上がれ、との神の命令が響くとき、死者の骨は、どこであれ、一瞬にしてつなぎ合わされ、肉に覆われる。こうして、万人が……瞬く間に甦る。このとき、選ばれた者は善行の光に照り輝き、罪深い者は悪行の黒を身に帯びる。彼らの行いは、……赤裸々に現れる」
 ヒルデガルトによれば、このときキリストが天の軍勢をともなって再臨。神に生きた人々は復活し、肉体のまま一瞬のうちに天に上げられ、栄光の世界に迎え入れられるという。それにしても、このようなことはいつ起こるのだろう。
 彼女の啓示によれば、世界は7日(7000年)で周期を完了するという。
「今や世界は第7の時代にあり、時の終わりに近づいている。7日の後に起こることについては、人間には知ることができない」
 じつはイエスの生きた1世紀が6日目の始まりだった。世界が終わるという7日目は、イエスから2000年、つまり20世紀である。彼女の最後の予言が実現するか否かが判明するのは、まさに時間の問題なのだ。



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