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▼CIAなど米14政府機関に被害 LOVEウイルス
コンピューターウイルス「I LOVE YOU」によって、米国では国防総省(DOD)、米中央情報局(CIA)、米航空宇宙局(NASA)など少なくとも14の政府機関が被害を受けた。10日開かれた下院科学委員会の公聴会で、会計検査院が報告した。同院コンピューター情報技術評価局のキース・ローズ局長は「政府はこうしたコンピューター攻撃に対して無防備であることが改めて示された」と述べた。
これらの政府機関の電子メールのシステムが一時停止に追い込まれるなどしたが、多くは業務に大きな支障はなかったという。ただ、DODでは機密部門のコンピューターも被害を受け、ソフトウエアを入れ直した。
専門家らは「ウイルスの拡大を防ぐには、政府機関が協調して素早い対応を取ることが不可欠」と指摘。コンピューターの2000年問題対策にならって、情報を一手に集める大統領顧問のような存在が必要との意見も出た。ウイルスは5月4日午前4時(米東部時間)に放たれ、9時までに被害は100万台以上に及んだ。民間の専門機関が警告を出したのが午前9時半、連邦捜査局(FBI)は午前11時だった。
ウイルス対策専門会社によると、ウイルスによる被害は昨年1年で約120億ドル(約1兆3000億円)だったのに対し、今回だけで27の亜種も含め67億ドル(約7300億円)に上ると推定される。
(11:14)