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回答先: Re: これがUFO研究基地?=民間会社が衛星写真公表(共同) 投稿者 衛星屋 日時 2000 年 4 月 19 日 10:53:50:
【米国発】 2000.4.18 7:03 AM PT――
10年以上前からUFO伝説のメッカになっているネバダ州の米軍極秘研究施設「エリア51」。そんな“X−ファイル的関心”に便乗する形で,ある米国企業が,ロシアの衛星が撮影した同施設の写真をインターネット上で公開した。
あいにく写真には,緑の宇宙人もブラックトライアングルも写っていない。だがこれらの画像は,エリア51をめぐって現実世界で起きている訴訟に,ある程度の影響力を持つかもしれない。
「エリア51」(ネバダ砂漠のテストサイト地図の区画名称からそう呼ばれる)は,ネリス空軍基地周辺の数千平方マイルの地域に点在する軍事施設の複合体を指している。
国防総省はこの施設の存在をほとんど認めておらず,同地域へのアクセスは厳しく制限されている。だが,高高度偵察機U-2やステルス戦闘機F-117A,ステルス爆撃機B-2など,「軍事機密予算」で開発されたさまざまな航空機は,ここでテストされてきたというのが一般の認識だ。
また,この施設については,さらにドラマチックな見方も存在する。すなわち,エリア51は,異星人の文明から得られた技術(西の空で時折“確認”が伝えられる「ブラックトライアングル」航空機など)の研究施設だ――という見方である。ほとんど,テレビ番組の『X−ファイル』や映画『インディペンデンスデイ』に出てくるような話だ。
TerraServer.comが4月17日に公開した写真は,この種の「米軍陰謀説」の動かぬ証拠となる類のものではない。だがそこには,検討に値する数多くの細かな情報が含まれている。
公開された写真は,1万2000平方マイル(3万1080平方キロメートル)を超える地域を1画素2メートル(6.6フィート)の解像度で撮影したもの。この解像度なら,建物や道路,車両などを十分識別できるが,人間やナンバープレートを特定することはできない。
TerraServerの会長で創立者のJohn Hoffman氏によると,公開した写真は,ロシアの衛星Kometaが2年前に撮影し,商業契約のもとTerraServerが1年前に手に入れたもの。画像を処理したり,Webサイトに掲載する準備を整えるのに1年かかったという。
インターネットユーザーは,この写真を無料で見ることができ,またデジタルファイルを購入することもできる(7ドル95セントから)。
TerraServerは,2年前に設立され,Aerial Imagesが所有,運営しているサイト。米国をはじめ世界60カ国の衛星画像を集めたデータベースを提供している(1998年6月の記事参照)。
なかなか信じてもらえない
Hoffman氏は,『X−ファイル』の作者Chris Carter氏にエリア51の写真が提供できると伝えるのに難儀したことを認めている。「興味深いのは,当社が本当にその写真を持っているということを信じない人が多いことだ」と同氏。
公開された写真には,爆弾によってできたクレーターや交差する道路,多くのバス,覆い隠された航空機のようなものが写っているほか,地下施設の存在をうかがわせる土累と窪地も見える。しかし,未来的な形状の航空機は見あたらない。この点についてHoffman氏は,別に驚くことではないと語っている。
「軍事施設にいる人々は,衛星が通過する時間を熟知しているものだ。衛星が通過している間は,大事なものはすべて隠しておくのだろう」
同氏によると,今回公開された写真が,国家機密上の問題になる可能性はないという。1992年の「オープンスカイ」条約に基づき,軍事施設が軍備管理規定に違反していないかどうか衛星で監視するようになっているうえ,17日に公開された写真は,2年前のものだからだ。
「今回の件について,米政府のどの機関からもクレームは来ていない」とHoffman氏。
しかし,UFOこそ写っていないものの,この写真は分析に値するという。
「インフラの整い方は私の想像以上だった。多くの施設があるという点も極めて興味深い。『これは何だ?』『この人たちはなぜここにいて,何をやってるんだろう?』と,疑問がわいてくる。私にはその答えは想像もつかないが」とHoffman氏。
写真の価値は?
米科学者連盟の宇宙画像専門家John Pike氏は,特に米国地質学調査のために1968年に撮影された航空写真と比べた場合の,今回の写真に見られるエリア51複合施設の大きさに強い関心を持ったと話している。同連盟のWebサイトには17日午後,これら2つの写真を並べて比較できるようにしたものが掲載された。
Pike氏はこう語る。「エリア51は実質的に拡張されたわけだ。2年前の写真でも,建物の建設が進んでいる様子が分かる。1枚の写真から,1000語の文書に相当する情報が得られる。写真が2枚あれば,1万語の文書にも匹敵する」
ジョージ・ワシントン大学の法学教授Jonathan Turley氏によると,今回公開された写真は,エリア51の職員が米政府を相手取って起こした訴訟でも一役買うかもしれない。同氏は,「基地で有害化学物質の汚染を受けた」と主張する職員が起こしたこの訴訟で,原告側の代表を務めている。この訴訟では今年2月,連邦裁判所が米政府に20万ドルの支払いを命じているが,審理はまだ続いている。
Turley氏の説明によると,裁判所の命令は,環境保護法の基準に少しでも近づけるよう米政府に命じる内容になってはいるが,クリントン大統領は,国家の安全保障を理由に,軍事施設を環境保護規制から除外する大統領令を出している。
「訴訟はまだ続いているが,米政府は,機密保護法を使ってエリア51で行われた犯罪行為の証拠を隠蔽している」とするTurley氏は,エリア51に関する情報が広く利用できるようになれば,米政府側の姿勢にも変化が出てくるだろうと期待する。
Pike氏は,軍が安全保障上必要との主張を振りかざして法律の適用を免れようとしていることについて,「極めて不適切な行為」と批判。ネバダ砂漠にあるこの施設で行われている作業は,カリフォルニア州のエドワーズ空軍基地(秘匿度がエリア51よりもはるかに低い)で行われていることと大差がないと語る。
「エリア51に一定の保安手段を講じることが必要だという主張は理解できるが,あまりにも隠されている部分が多い」(Pike氏)
[Alan Boyle, MSNBC & ZDNet/USA]