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03/19 19:35 武力行使6月までない 陳氏勝利に陰謀説も 外信42 #01
台湾の総統選挙で「独立綱領」を掲げる野党、民主進歩党の陳水
扁氏が勝利し、半世紀を超える国民党政権が初めて下野することに
なった。この画期的な出来事が、警戒心を募らせる中国の出方、台
湾の内政そして日、米両国にどういった影響を及ぼすのか―。台北
、北京、ワシントン、東京で取材してきた記者たちが話し合った。
(続) 000319 1934
[2000-03-19-19:35]
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03/19 19:35 武力行使6月までない 陳氏勝利に陰謀説も 外信42 #02
▽中台緊張の行方
―中国は台湾への武力行使の可能性の条件の一つに「統一に向け
た対話の無期限延期」を加えたが…。
北京「中国は『いかなる形式の台湾独立も絶対に許さない』と、
あらためてクギを刺した」
台北「陳氏は五月二十日の次期総統就任前の訪中の意向を表明し
対中融和に出た」
―北京「対話は可能。ただし『一つの中国』の原則が大前提とい
うのが、中国の立場だ。民進党に綱領の『台湾独立』の文言取り下
げを迫るかもしれない」
東京「陳氏は本来、独立の是非を問う住民投票論者だ。削除する
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可能性は小さい。そこで、不満を抱く中国軍部の暴走が怖い」
(続) 000319 1934
[2000-03-19-19:35]
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03/19 19:35 武力行使6月までない 陳氏勝利に陰謀説も 外信42 #03
ワシントン「中国の世界貿易機関(WTO)加盟に必要な最恵国
待遇の恒久付与を決める米議会審議が終わる五、六月まで、中国は
演習を含むいかなる武力行使もしないというのが米国の見方だ」
台北「中台経済関係は緊密化している。台湾の対中貿易黒字は昨
年、百六十七億ドルと過去最高を記録。中国にとって台湾企業の投
資は貴重な外貨獲得源だから、即座に感情的な武力行使に踏み切ら
ないだろう」
▽国際波紋
―緊張が日米はじめアジア太平洋地域に波紋を投じる恐れはない
のか。
(続) 000319 1934
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[2000-03-19-19:35]
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03/19 19:35 武力行使6月までない 陳氏勝利に陰謀説も 外信42 #04
東京「わが国にとって最悪のシナリオは、中国軍部の暴走から、
日米防衛協力の新指針(ガイドライン)の発動を余儀なくされるこ
とだ」
ワシントン「今回の総統選の結果について、米国の中国通は台湾
内の本省人、外省人という対立の枠を超えた『台湾民族主義』が台
頭したと指摘している。ただ本来、歓迎すべき台湾民主選挙は、大
きな不安要因でもあり、東アジア太平洋地域の米軍十万人駐留体制
などは緩められない。陳次期総統の登場で、米国はますます中台対
立の深みにはまる」
(続) 000319 1934
[2000-03-19-19:35]
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03/19 19:35 武力行使6月までない 陳氏勝利に陰謀説も 外信42 #05
東京「李登輝総統が公職を離れた後に『私人』として訪日を希望
すれば、日本政府も拒むのは難しい。陳氏も既に訪日の意向を表明
した」
北京「李氏を受け入れれば、『日中友好の根底が崩れる』という
のが、中国の立場だ」
―陳次期総統の対日姿勢はどうか。
東京「李登輝総統は、日本の雑誌や書籍を愛読する。そうした日
本語世代のような濃密な対日感情は、四十九歳の陳氏にはないだろ
う。だが、陳氏も再三来日している。民進党は日本の民主党との関
係も強化してきた」
(続) 000319 1934
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[2000-03-19-19:35]
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03/19 19:35 武力行使6月までない 陳氏勝利に陰謀説も 外信42 #06
▽台湾政局の動向
―陳氏の勝因を分析、今後の政局を展望したい。
ワシントン「有権者は、政治腐敗や環境問題など国民党政権の社
会政策の遅れを批判した。国民党の利権と関係ない候補に投票した
いと願う有権者が多かった」
東京「国民党と共産党は、ソ連共産党をモデルにした゛双子″と
いわれてきた。強権支配と党、行政の一体化、不透明な資産運用と
いう共通の体質を本来持っていた。李登輝総統が民主化を進めた国
民党の下野は何を意味するのか…」
(続) 000319 1934
[2000-03-19-19:35]
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03/19 19:35 武力行使6月までない 陳氏勝利に陰謀説も 外信42 #07
台北「資産の問題が最大のネックで、『黒金』(ブラックマネー
)という難題も抱えている。陳氏はここを突いた。陳氏が党資産問
題に手を付けた場合、過去の違法活動への連座を恐れ、国民党員の
六割が離脱するとの観測もある。国民党は分裂、求心力は失われる
。政界大再編は必至だ」
北京「中国指導部内には(国民党の分裂選挙は)『独立派の陳を
勝たせるための李登輝の陰謀』とのうがった見方も出ているだろう
。陰謀論は共産党の習性だ。中国共産党は、戦火も交えた長年のラ
イバル国民党の分裂劇を複雑な思いで眺めることになろう。かつて
『ソ連、東欧の崩壊』を教訓に一党支配体制を引き締めたが…」
東京「国民党長期政権の腐敗の構図が陳次期政権によって暴かれ
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、インターネットなどにより中国大陸にも伝われば、共産党の権力
基盤を揺るがす世論形成の遠因にもなりかねない」
(共同)
(了) 000319 1934
[2000-03-19-19:35]
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03/19 18:56 中台打開に3つのポイント 党綱領、パイプ、WTO 外信40 #01
「李登輝総統は歴史的な政権交代に必ず協力してくれると確信す
る」。台湾新総統に当選した野党、民主進歩党(民進党)の陳水扁
・前台北市長は一夜明けた十九日、「民主先生」の形容詞を付け李
総統の民主化の功績をたたえた。総統公邸を包囲した約千人の国民
党員が「李登輝やめろ」のスローガンを叫び続ける中、眠れぬ一夜
を明かした総統とは対照的な朝だった。
その陳氏には、始動する政界再編成の中での困難な組閣など、内
政上の難問が待ちかまえているが、世界が注目するのは、李総統が
提起した「二国論」で悪化する中台関係打開に向けたかじ取りだ。
総統選の有力候補のうち「二国論」の原則に最も忠実なのが陳氏
。その意味で「李路線の継承者」と言え、陳氏を「台湾独立」と攻
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撃する北京の不信感は根強い。
(続) 000319 1855
[2000-03-19-18:56]
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03/19 18:56 中台打開に3つのポイント 党綱領、パイプ、WTO 外信40 #02
陳氏自身、その点を十分意識して、選挙中から「中国が武力攻撃
しない限り、台湾独立の宣言や二国論の憲法明記、国名の変更など
はしない」と柔軟姿勢を表明。当選後の記者会見でも「三通」(通
信、通商、通航の直接的開放)実現など、対中関係改善を政策の前
面に据えた。
対中関係仕切り直しの第一ポイントは、民進党の党綱領の「台湾
独立」条項。実は「二国論」によって「独立を宣言する必要はなく
なった」というのが陳氏ら民進党主流派の考えで、もはや独立派と
いうより「非統一派」に近い。
五月二十日の総統就任式までに、党内から独立綱領の修正を求め
る声が出るのは確実で、独立綱領を修正すれば中国への格好の「善
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意」のシグナルになる。
(続) 000319 1855
[2000-03-19-18:56]
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03/19 18:56 中台打開に3つのポイント 党綱領、パイプ、WTO 外信40 #03
第二は、中断している中台の準公的対話・交流の枠組み。
陳氏は国政顧問団の首席顧問の李遠哲・中央研究院院長に、対中
交渉役も要請。江沢民国家主席と面識のある李院長も、積極的な意
欲を示している。民進党は来月にも北京に特使を派遣する予定だが
、李院長が特使役を果たす可能性も否定できない。
仮に中国が李院長を受け入れれば、李登輝時代の中台の準公的対
話の枠組みが変化。中台間で新たなチャネルができる可能性もある
。
第三は中台の世界貿易機関(WTO)加盟に伴う、三通開放など
、経済を突破口にした関係改善の動き。
(続) 000319 1855
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[2000-03-19-18:56]
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03/19 18:56 中台打開に3つのポイント 党綱領、パイプ、WTO 外信40 #04
激しい非難の応酬ばかりが目立つ中台関係だが、それは政治の表
層だけで、経済交流は中断するどころか一層厚みを増している。台
湾の将来についても有権者の八割以上が、独立でも統一でもない「
現状維持」を望む。
李院長は「中台間には誤解が多く、統一交渉を急いでも成果はな
い」と、双方の間に生じた溝を埋めるのが先と強調する。陳政権も
「台湾の主権」を譲歩できない防波堤にしながら、三つのポイント
で打開の糸口を探り、当面、政経分離の現状維持を目指すことにな
りそうだ。(台北、共同=岡田充)
(了) 000319 1855
[2000-03-19-18:56]