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回答先: イスラエル、建国以来の厳戒態勢 投稿者 倉田佳典 日時 2000 年 3 月 19 日 18:50:22:
【ローマ18日=西田和也】
ローマ法王ヨハネ・パウロ二世は二十日、イスラエル、パレスチナ自治区などの歴訪に出発する。エルサレムでは、キリスト教を代表して、ユダヤ教、イスラム教を含む三大啓示宗教の融和促進を訴える。バチカンは今回の訪問を、イエス生誕二千年記念の「巡礼」として宗教的意義を強調するが、エルサレムの帰属問題への発言力を確保したいとの政治的思惑もある。
法王はヨルダンに立ち寄った後、二十一日夕にイスラエル入りし、二十六日まで聖都エルサレムに滞在する。法王による聖都訪問は、東エルサレムがヨルダン領だった一九六四年の故パウロ六世以来。
エルサレムでは、ホロコースト(ナチスによるユダヤ人大量虐殺)記念館や、イスラム教聖地アル・アクサ・モスクのある神殿の丘、ユダヤ教聖地「嘆きの壁」にも足を運び、この両宗教やキリスト教他宗派の指導者と対話にのぞむ。
また、自治政府のアラファト議長、イスラエルのバラク首相らと会談する。ベツレヘムのパレスチナ難民キャンプを訪ね、パレスチナ和平交渉の争点の一つである難民問題にも光りを当て、「公正な和平の理解者」の立場をアピールする。
国際社会で強い影響力を持つバチカンも、米国主導で進む中東和平では影が薄い。バチカンは先月、パレスチナとの関係を定めた協定に調印、その中で、エルサレムに「国際法に基く地位」を求め、「一方的な解決は受け入れられない」とイスラエルにクギをさしている。他方、バチカンは、法王の訪問がイスラエル、パレスチナ双方に政治利用されるのは避けたい考えだ。具体的には、エルサレムを「恒久不可分の首都」と主張するイスラエルが、法王訪問をその「国際承認」として喧伝する動きをけん制する一方、同自治区では、「独立国家」認知と受け取られかねない行事などを自粛する。
(3月19日18:44)