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回答先: 法王、虐殺記念館を訪問 ユダヤ教指導者と会談 投稿者 倉田佳典 日時 2000 年 3 月 23 日 18:48:31:
【エルサレム24日=当間敏雄】
「エルサレムはイスラエルの首都だ」「いや、パレスチナの首都だ」――。中東聖地巡礼中のローマ法王ヨハネ・パウロ二世は二十三日、宗教間の融和をテーマとした会合に出席したが、ユダヤ教、イスラム教双方の指導者が「聖都」の権利を主張し合う、極めて政治色の強い論戦の場になってしまった。
ユダヤ教の筆頭ラビ(導師)のラオ師が「ユダヤ教国家イスラエルへの巡礼訪問は、法王がエルサレムを(イスラエルの)永遠不可分の首都と認めたに等しい」と発言して火ぶたを切ると、イスラム教徒聴衆から「法王は一度もそんなことを認めたことはない」との鋭いヤジが飛んだ。
ラオ発言に怒ったイスラム教徒代表の宗教裁判所長官タミミ師が「パレスチナ民族の土地にエルサレムを永遠の首都とするパレスチナ独立国家を創設する“公正な平和”」の必要性を激しく主張。「イスラエルのアラブ占領を終わらせ、獄中のパレスチナ人を解放し、難民が故郷とするパレスチナの土地に戻れるようにすべきだ」とまくし立てた。
イスラム教徒はタミミ発言に拍手喝さいし、ユダヤ教徒側は苦虫をかみつぶしたような表情で押し黙った。
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地であるエルサレムは、六七年の第三次中東戦争で旧市街のある東エルサレムをイスラエルが武力併合して「永遠不可分の首都」としたが、パレスチナ側が東エルサレムを将来の独立国家の首都として要求、帰属を巡って激しく対立している。
法王は険しい表情で双方の主張を聞いた後、「聖なる土地の宗教社会が調和を保って互いに協力し合えれば、エルサレムはすべての人々にとって真の平和の都市となるだろう。共生は容易なことではないが、お互いの宗教の中にその知恵を見いださねばならない」と発言したが、会合が終了する前にイスラム教徒側が退席し、後味の悪い宗教会議となった。
(3月24日12:15)