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http://www.hotwired.co.jp/news/news/3520.html
『ウィンドウズ2000』が新興宗教関与で独規制に抵触?(上)
Chris Oakes
12月21日 3:00am PST このソフトには新興宗教『サイエントロジー』が入って
いるだろうか?
これは、米マイクロソフト社がドイツで直面している問題だ。『ウィンドウズ
2000』がサイエントロジーに関連している疑いがあるため、当局がこのOSの調査
に乗り出したのだ。
ドイツのハンブルク市(州)とバイエルン州の法律では、州政府と契約する企業
と、ある種の民間企業は、サイエントロジー教会と無関係であることが求められ
ている。サイエントロジーとは、SF作家L・ロン・ハバード氏が始めた宗教的運
動。
マイクロソフト社は11月、米エグゼクティブ・ソフトウェア社が開発したディ
スク・フラグメンテーション技術を、来年2月発売予定のウィンドウズ2000で使
用するためのライセンスを取得したと発表した。
エグゼクティブ・ソフトウェア社のクレーグ・ジェンセン最高経営責任者
(CEO)は、サイエントロジー教会の会員で、同社社員はサイエントロジー教会が
開発した管理システムに従って訓練されていることを誇りにしている。ジェンセ
ンCEOは、自社がフラグメンテーション解消ユーティリティー『ディスキー
パー』(DisKeeper)の販売で成功したのは、サイエントロジーの創始者、L・ロ
ン・ハバード氏が著した全12巻の組織経営事典のおかげだとしている。
「わが社の従業員は、これらのプロセスで訓練されている」とジェンセンCEO
は1992年に述べている。
ドイツのコンピューター雑誌『c't』の編集者、クリスチャン・ペルソン氏の
説明によれば、ハンブルク市およびバイエルン州で適用される規制によれば、
「州政府が企業からサービスを購入する場合、その企業は、『そのサービスの実
施に携わる人は全員サイエントロジーと無関係である』という契約にサインしな
ければならない」という。
たとえばバイエルン州では企業に対し、「この契約を満たすために働く人々
は、すべて(サイエントロジー創始者)L・ロン・ハバード氏の技術を利用しな
い」ことを保証する書式にサインするよう要求している。
ウィンドウズ2000におけるエグゼクティブ・ソフトウェア社技術の使用が、契
約者とサイエントロジーとの関連についての州規定に違反する可能性がある、と
いう指摘は、『c't』誌の最新号で取り上げられた。マイクロソフト社、エグゼ
クティブ・ソフトウェア社、そしてサイエントロジー教会は、『c't』誌が些細
なことを大げさに書き立てたと主張している。
しかし、バイエルン州内務省報道担当のミヒャエル・ツィーグラー氏は、多く
のドイツ人にとってこの問題は、国家安全保障に関わるものだと言う。
「これはバイエルン州だけの問題ではなく、ドイツ全体が関係する問題だ。
(連邦)憲法擁護庁が調査を行なっている」とツィーグラー氏は20日(米国時間)述
べた。
主な問題点は、ウィンドウズ2000が、ドイツ当局や政府に何らかの影響を及ぼ
すかどうかだ、とツィーグラー氏は言う。同氏は、自分はソフト専門家ではな
く、憲法擁護庁の調査結果に対しては意見を持っていないと強調し、州政府は同
庁の勧告に従うだろう、と付け加えた。
何年も前から、ドイツの連邦および各州当局は、サイエントロジー教会による
憲法への脅威(と自分たちが見なすもの)を追及してきた。同教会を激しく攻撃す
る者たちは、サイエントロジーは世界征服をもくろむ全体主義的組織だとして、
サイエントロジーの活動や影響範囲に制限を設けている。
(12/24に続く)