題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,ＭＬを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。
| Tweet |
[朝日新聞１１月１２日朝刊 主張・解説]
◆ 穏当な死刑執行とは？ 電気イス巡り憲法論議
（ニューヨーク支局 山中季広）
死刑制度は全米５０州のうち３８州で維持されている。今年すでに
８３人の刑が執行された。１９７６年に死刑制度が復活して以来最も
多い年になった。
州によって執行手段は異なり、電気イスのほか、致死性ガスや絞首、
銃殺、薬物注射がある。死刑囚本人に選ばせるところも多い。
かつて絞首刑が主流だった。１９世紀の末に電気イスが導入され、
１９８０年代まで、死刑といえばだれもが電気イスを思い浮かべる時
代が続いた。現在は、心肺機能を止める薬物注射が最も多く、３４州
が採用。次が電気イスで１１週。致死性ガスが５州、絞首と銃殺がそ
れぞれ３州ずつとなっている。
最高裁が１０月から審理しているのは、執行手段を電気イスに限っ
ているフロリダ州の事例。ビル警備員を殺害したとして有害が確定し
たアンソニー・ブライアン死刑囚（４０）が「電気イスによる衝撃や
苦痛、遺体のみじめさは耐えられない」と訴え、「残酷かつ異常な刑
罰を与えてはならない」と定めた合衆国憲法に違反すると主張した。
執行予定日の前夜に、最高裁がこの主張を取り上げて審理入りを決
定。執行は土壇場で停止された。
フロリダで州では近年、電気イスによる執行の途中にハプニングが
相次いだ。母子３人殺しに問われたアレン・デービス死刑囚は今年７
月、執行寸前に大量の鼻血を流し、顔を覆う革マスクや白いシャツが
血に染まるなか、息絶えた。電気スイッチが入った直後に、死刑囚の
ほおから煙があがり、頭部が炎に包まれる事件も二度起きた。
死刑執行が確定囚の親族だけでなく犠牲者の遺族、メディアにも公
開されている米国では、こうしたトラブルを隠すすべはない。
主要判決のインターネット公開を誇ってきたフロリダ州最高裁は、
デービス死刑囚の血まみれの執行写真までネット掲載。死刑廃止団体
が「これぞ米国の野蛮さの表れ」と宣伝したため、世界中からアクセ
スが殺到している。
死刑制度を合憲とする立場を堅持してきた連邦最高裁が、にわかに、
制度そのもののを違憲とする見込みはまずない。だが、最高裁が電気
イスの使用を違憲と判断すれば、ほかの手段を認めていないフロリダ、
アラバマ、ジョージア、ネブラスカの４州は死刑を執行できなくなる。
また、複数の手段から本人に選ばせてきた州でも、執行方法の見直し
が必要になる。
電気イスによる執行を数多く研究してきた弁護士は「電気が流れる
と死刑囚は例外なく大声を張り上げて激しくもがく。眼球が飛び出し
た例もあった」と話す。致死性ガスでも、「密閉されたガス室での処
刑はあまりにもせい惨」とした地裁レベルの違憲判決がある。また薬
物注射についても、「死刑囚が暴れて注射針が腕でなく首に刺さった」
などトラブルが数多く報告されている。
死刑に詳しい刑法学者は「死刑囚に与える苦痛を量的に比較する方
法はない。どの手段がより穏当かを判定するのは相当に難しい」と指
摘している。
------------------
※ 初投稿です。よろしくお願いします。
※ 心臓の悪い人はリンクをたどらないでください。
※ 電気イスのせい惨な描写は、スティーブン・キングの「グリーン・
マイル」でも書かれていますね。氏の自動車事故とこの描写には何
か関係があるのか!?
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。