その後の桜井発言(週刊文春・週刊現代)

 
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投稿者 一刀斎 日時 1999 年 10 月 10 日 00:12:28:

回答先: 週刊宝石“ウラン投入量「16キロ」は本当か JCO疑惑の隠蔽データ!”桜井淳 投稿者 一刀斎 日時 1999 年 10 月 06 日 16:44:25:

週刊文春10/14
臨界被爆 東海村の深層
桜井淳が目撃!「問題施設は町工場並みだ」

事故があった「ジェー・シー・オー東海事業所」(以下JCO)には八年前に視
察に行ったことがあります。
その時は、配管とタンクを組み合わせた中規模の町工場という印象でした。
建物は多重防護の意識などない、コンクリート造り。なにしろ驚いたのは、天井
の近くにガラス窓がいくつもあったことです。中で放射能漏れがあれば、隙間か
ら漏れ、換気システムに乗って外部に出てしまうことは容易に想像できました。
事故が発生した二目後、ウラン加工施設の中にある沈殿槽を撮影した写真を見せ
てもらいました。まさしくそれは、作業員が多量のウラン溶液を手作業で注入
し、臨界に達した〃現場写真〃です。まず目に付いたのは、沈殿槽のフタにある
小さな穴です。この穴に滑斗を差し込んで、ウラン溶液を注ぎ込んでいたと思わ
れます。その穴は、最近開けたというようなものではなく、どう見ても以前から
開いているものでした。つまり、普段からその穴は使われていたことになりま
す。JC0が、かなり以前から手順違反をしていたことを如実に示しています。
さらに、驚愕したことがあります。
沈殿槽に開いている漏斗を差し込む穴からウランが唄き出して、土色の泥状態に
なって流れだしていたのです。そのウランは乾燥して粉末になっていました。こ
れでは、ウランが周に乗って外部へ出てしまう可能性すら考えられるのです。
この穴は手順違反の明らかな証拠ではありますが、実は一方で、事故の影響を最
小限に止めるという皮肉な役割も果たしました。
仮に沈殿槽が密閉状態であったならば、臨界のエネルギー圧が充満し、ステンレ
ス製のフタが爆発して吹き飛ぴ、建物のガラスや天丼も壌れていた可能性があっ
たのです。
そうなれば、百倍、いや千倍の大惨事になっていたかもしれない。結果からみれ
ば、穴が開いていたからこそ、エネルギー圧が抜けてくれた。不幸中の幸いとい
うべきかもしれません。
放射能の放出はもう起きないでしょうが、「この社会的な汚染がもとに戻ること
はない」と、現場で調査をしてつくづく感じました。
いくら科学技術庁がすべて放射能は除染したと言っても、住民の心に染みついた
不信感は拭えません。少なく見積もっても除染するのに半年、工場が再開するの
に二、三年はかかるでしょう。
汚染された工場は、これから沈殿糟から噴き出したウランを片付け、槽を壊して
解体することになります。そして床を元の状態に戻すため、掃除をする。しか
し、長時間作業をしていれば、ウランの粉末で被曝してしまう。結局、床をゴシ
ゴシと磨いて、水を少しずつ流して藩としていくしか方法はないのです。
問題のJC0は、今から二十年前に設立されました。
従業員は百十名ほど。しかし、濃縮二酸化ウラン粉末の製造は年間七百十八トン
と、かなり量は多い。日本では三つしかない、重要なウラン転換工場なのです。
原子力発電所では、外部への放射能瀬れを防ぐため「原子炉格納容器」を造りま
す。厚さ五センチぐらいの鉄鋼で囲み、内部は気密構造になっています。
しかし、JCOは内部で臨界事故が起こることを前提にしていないので、このよ
うな防護壁がありません。
当時の安全審査では、嚢や火災は考えられるげれとも、実際に起きる可能性は非
常に低いので、安全対策をたてる必要はないとされていました。
安全性に関する世の中の意識、あるいは安全を守るためのエンジニアリングは、
この二十年で格段に進歩してきています。かつて安全性は問題なしと判断きれた
設備でも、今の基準で見直してみると不十分な施設はいくらでもあるわけです。
九七年三月に動燃(当時)東海事業所の再処理工場内で火災と爆発が発生したと
きも、火災が起こることを前提としていなかったため放射能漏れが起きました。
わずか二年の間に二回も、「可能性が非常に低い」はずの事故が起きているので
す。
なぜ、このような事故が起きてしまうのか。
原子力の安全管理は、「人間はミスを犯す生き物」だということを前提に考えな
くてはいけません。手作業はできるだけ省く必要があります。ですから、ステン
レス容器で硝酸ウラニル溶液を作り、それを作業員が沈殿積に入れるなどもって
の外です。
実は、このような規則違反は、意外に現場ではいつもやっていることなのです。
作業員も慣れっこで、感覚がマヒしていたのだと思います。JC0の施設は十六
年稼働していて、そのはとんどは五%の濃度のウランを扱ってきたわけです。そ
れが通常の五倍以上のウランをたまたま扱い、それでいながら、いつもと同じよ
うな感覚で流し込んでしまったのでしょう。
事故発生当初、被曝した作業員は、八シーベルト、つまり八百レムの放射線を浴
ひたと聞きました。これは、広島・長崎の爆心地で被爆した人とほぼ同じ値で
す。三石から四百レムで半分、六百レムでほとんどの被曝者が死に至ると言われ
ています。私は八百レムと聞いたときには、本当に涙が出ました。
原子力の先進国では起こるはずのない不名誉な事故です。五〇年代から六〇年代
にかけて、欧米の軍事用施設で臨界事故はありました。しかし、商業用施設で
は、アルゼンチンで二十年ほど前に小型の臨界事故があったぐらいです。私たち
は、チェルノブイリ事故を起こしたロシアを笑うことはできません。九五年の
「もんじゅ」から二年ごとに大きな事故を起こしています。今度こそ、安全管理
の徹底した見直しを、直ちにやらなけれぱなりません。


週刊現代10/23
東海村臨界事故安全宣言の「大ウソ」暴く

……
これだけでも「早すぎた安全宣言」が〃大ウソ〃だったことがわかるが、もっと
も重大なのは、政府が「最悪の事態」を想定していながら、それをいっさい知ら
せなかったことだろう。今回の事故は、加工処理施設でのものだが、あのまま臨
界状態が続いたら、旧ソ連で起きたチェルノブイリ原発事故のような爆発を起こ
す可能性があった。
JC0東海事業所を視察したことがある技術評論家の桜井淳氏が解説する。「爆
発は、核分裂が発生したときの膨大なエネルギーによって、溶液タンクが破損す
ることによって起こります。では、今回はなぜ爆発が起こらなかったのか。あの
沈殿糟というタンクが、完全な密閉型ではなかったからです。あのタンクの上部
には、作業員が手作業でウラン溶液を注入するために作ったと思われる穴が二つ
あった。本来ならパイプで溶液を注入するから、あるはずのない穴です。その穴
が、臨界によってタン ク内部に生じた猛烈な圧力を、瞬間的に逃がす安全弁の役
割をしたのでしょう」
この違法な注入口の存在が明らかになっていなかった事故発生当日はむしろ、爆
発の危険性を真っ先に考えるのが当たり前の状況だった。
……




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