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JCO臨界事故、「レベル5」に
上司が「早くやれ」と指示
茨城県東海村の核燃料加工会社「ジェー・シー・オー(JCO)」東海事業所
の臨界事故で、溶解作業をしていた作業員3人のうち、症状の軽い副長の作業員
(54)が「上司に作業を早くやれといわれた」と話していることが、科学技術
庁事故調査対策本部の調べで分かった。また、同庁は、「レベル4(施設外への
大きなリスクを伴わない事故)」としたこの事故の原子力事故国際評価尺度を、
「レベル5(施設外への大きなリスクを伴う事故)」に格上げする方針を固め
た。
これまでの調べで、事故が起きた溶解作業の日程は本来、事故前日の9月29
日だけだったが、同日の作業開始が午後となったため、30日も引き続き作業を
行ったとされる。
一方、科技庁では事故発生の翌日、放射能漏れや従業員の被ばくの度合いから
事故評価を「レベル4」としていたが、原子炉等規制法に違反する作業や違法な
手順書の存在など、著しく安全管理を無視していたことを重視。評価を見直すこ
とにした。近く正式に決定し、国際原子力機関(IAEA)に報告する。
「レベル5」に格上げされると、一部の炉心熔融を招いた米スリーマイルアイ
ランド(TMI)原発事故に並び、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故の「レベル
7」に次ぐものになる。
国際評価尺度は、原子力施設の事故と故障、施設内外への影響などを基に「レ
ベル7」から「レベル0」まで8段階に分けられる。「安全文化の欠如」も考慮
され、認められた場合にはランクが上がる。
原子力事故の国際評価尺度と主な事故
レベル7 深刻な事故
旧ソ連チェルノブイリ原発事故(1986)
レベル6 大事故
レベル5 施設外へのリスクを伴う事故
東海村・核燃料加工施設での放射能事故(1999)
米スリーマイルアイランド原発事故(1979)
レベル4 施設外への大きなリスクを伴わない事故
レベル3 重大な異常事象
旧動燃東海再処理工場火災・爆発事故(1997)
レベル2 異常事象
美浜原子炉事故(1991)
レベル1 逸脱
旧動燃・高速増殖炉原型炉「もんじゅ」ナトリウム火災(1995)
レベル0 安全上重要ではない事象