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回答先: Re: 一刀斎 投稿者 じみ 日時 1999 年 10 月 08 日 09:41:06:
1999年10月9日(土) 22時11分
<臨界事故>被ばくした3人は「スペシャルクルー」兼務も=再替
(毎日新聞)
茨城県東海村の核燃料加工会社「ジェー・シー・オー(JCO)」
東海事業所の臨界事故で、作業中に被ばくした3人は、社内で他の2
人とともに「スペシャルクルー」と呼ばれるチームに編成され、排水
業務や深夜勤務も担当していたことが9日、分かった。また、同事業
所は事故前日から始まった今回の作業工程の生産終了を10月5日と
していた。臨界事故を起こした背景には、複数の業務を兼務する体制
に加え、日程が迫っていたという厳しい労働環境があった。
同事業所によると、スペシャルクルーは、高濃度のウラン加工以外
に、事業所全体の排水処理施設で、機器類の監視や排水のサンプリン
グなども行っていた。転換試験棟での作業がある日は別のクルーが担
当していたが、深夜勤務の場合もあり、事業所内でこうした勤務体制
を取るのは、この5人だけだったという。
JCOはコストの安い海外製品におされて受注量が減少し、業績不
振から親会社の住友金属鉱山に数十人の社員を出向させるなどしてい
た。東海事業所の社員は3年前の145人から今年は110人に減
り、「スペシャルクルー」は、こうした合理化のしわ寄せを受けてい
たとみられる。
また、臨界事故は核燃料サイクル開発機構の高速増殖炉「常陽」の
核燃料として、高濃度のウラン溶液を9月10日から生産中に起きた
が、全工程の納期は11月下旬だったため、今回の作業の終了を10
月5日に設定した。同事業所は事故前日の9月29日午後、作業責任
者以上の幹部を集めた定例の「生産計画会議」で、この日程を確認し
ていた。作業をして被ばくした社員3人はこの会議に出席していなか
った。29日は作業開始が午前8時のはずだったが、午後1時に遅ら
せていたため生産を急ぎ、30日の最終工程でウラン溶液を貯塔に通
さず、沈殿槽に直接大量注入したとみられる。手順を省くことで3時
間かかる工程は30分程度に短縮できる。3人のリーダー格の横川豊
さん(54)はこれまでの茨城県警の事情聴取に「早く作業を終わら
せたかった」と証言している。
こうした合理化などがステンレス製バケツを使った違法作業につな
がったという指摘について、同社は「事業の効率化を図ったもので、
単純にはつながらない」と釈明している。
[毎日新聞10月9日] ( 1999-10-09-21:52 )