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◎自衛隊が対ゲリラ実戦訓練 原発、空港など想定
【ウラジオストク18日共同】防衛庁は来年度、朝鮮民主主義人
民共和国(北朝鮮)によるゲリラ、ミサイル攻撃を念頭に、(1)
原子力発電所、空港など重要施設や沿岸部への工作員侵入を具体的
に想定した、自衛隊による本格的な対ゲリラ実戦訓練を初めて実施
(2)生物兵器に対処できる装備などを研究する「部隊医学実験隊」
を新設する|との方針を決めた。
ロシア訪問中の野呂田芳成防衛庁長官が18日夜、ウラジオスト
クで同行記者団と懇談し、明らかにした。同庁は今月末の2000
年度予算案の概算要求に、ゲリラ対策として約26億円、生物兵器
を中心とした大量破壊兵器対策として約24億円を盛り込む方針。
ゲリラ対策訓練はこれまで、駐屯地警備などを目的に部分的に実
施されていたが、実戦を想定した本格的訓練は行われなかった。
具体的には、沿岸部から隠密に侵入する工作員の警戒・監視、侵
入後の捜索・対処、原発や空港、自衛隊基地を防護するための偵察、
市街地での戦闘などあらゆるケースを想定する。
来年度は、将来のゲリラ対処部隊の創設に向けて米国へ要員も派
遣し、部隊編成や装備などを調査。陸上自衛隊が新設する研究本部
で、対ゲリラ攻撃の対処マニュアルなどを作成する。また、原発な
ど重要施設の防護訓練を専門的に行う特別施設を整備、対ゲリラ戦
訓練の室内用シミュレーターも導入する。
生物兵器対策を行うため創設する部隊医学実験隊も陸自の研究本
部に設置。同本部には、生物兵器などへの防護策を研究する「特殊
武器研究官」のポストも置く。米陸軍化学学校などに要員を派遣し、
生物兵器の探知・防護装置、治療法を調査する。
さらに生物兵器への技術的な対応について提言を受けるため、庁
外の有識者で構成する「生物兵器対処懇談会」を防衛庁長官の諮問
機関として庁内に新設する方針だ。
(了)
[共同 8月18日] ( 1999-08-18-20:10 )