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◎アルジェリアで国民投票 過激派との和解の是非問う
【カイロ16日共同】イスラム過激派による無差別テロが続くア
ルジェリアで、過激派との和解政策の賛否を問う国民投票が16日、
実施された。過激派への恩赦を含む思い切った和解策を断行したブ
ーテフリカ大統領に対する事実上の信任投票でもあり、和平回復と
経済再建を願う国民の判断が注目される。
同国外務省などによると、投票資格者数は約1800万人で、和
解策への賛成か反対かを記入する。即日開票で、早ければ17日朝
(日本時間同日午後)にも大勢が判明する。
今年4月に就任したブーテフリカ大統領は6月、拘束中の過激派
メンバーら約5000人の恩赦を発表。その後(1)集団虐殺やレ
イプなど重大事件を除き過激派メンバーを釈放(2)投降したメン
バーを免罪・減刑し社会復帰を促進−−を柱とした「和解法案」を
議会に提出し承認された。
最大の原理主義反体制派の「イスラム救国戦線」(FIS)に加
え、穏健派イスラム諸政党が和解政策支持を表明。反対を続ける最
強硬派「武装イスラム集団」(GIA)のメンバー数百人も最近、
恩赦措置を見越して投降するなど、和解支持ムードが高まっている。
「政策が否定されれば辞任」を公言する大統領は、国民投票の成
功を弾みに、対立候補全員が選挙無効を訴え立候補を取りやめた4
月の大統領選挙への批判を一掃、国家再建へ向け指導力を発揮した
い考えだ。
アルジェリアでは1992年、FISが勝利した総選挙を軍部が
無効宣言して以来、イスラム過激派と軍・警察との戦闘やテロが続
発。これまでに約10万人が死亡したとされる。 (了)
[共同 9月16日] ( 1999-09-16-16:46 )