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法王がキリスト教社会の誤り認める 読売新聞 11/ 1 19:52
【ローマ31日=西田和也】ローマ法王ヨハネ・パウロ二世は三十一日、「聖書の不
正な、間違った解釈がユダヤ人への敵意を生んだ」と述べ、ユダヤ教徒に対するキリス
ト教社会の姿勢に誤りがあったことを改めて認めた。バチカン(ローマ法王庁)で開か
れている「キリスト教における反ユダヤ主義の起源」をテーマにしたシンポジウムで語
った。
キリスト生誕二千年を祝う西暦二〇〇〇年に、法王の聖地エルサレム訪問実現に向け
た意向の表れと受け止められている。
バチカンは一九六四年、第二バチカン公会議でキリストの死に対するユダヤ人の「罪
」を否定。今年九月には、フランスのカトリック教会が第二次大戦中、ナチスによるユ
ダヤ人迫害を黙認したことに「謝罪」を表明した。
[読売11月 1日] ( 1997-11-01 19:52 )
<反ユダヤ主義>根本的見直し開始 歴史的和解目 毎日新聞 10/31 10:45
指す? 法王庁
【ローマ30日西川恵】バチカン(ローマ法王庁)は30日から神学者、歴史家など
専門家を集め、カトリック教義に見られる反ユダヤ主義の根本的見直しを開始した。2
000年の法王パウロ2世の聖地エルサレム訪問を念頭に、ユダヤ人との歴史的和解を
達成しておきたいという法王のイニシアチブがある。
この会合は「キリスト教における反ユダヤ主義の起源」とのテーマで、11月1日ま
での3日間開かれる。神学者、歴史家など60人が参集し、聖書や典礼などにみられる
反ユダヤ主義を洗い出し、それが教義面にどのような影響を与えてきたか討議する。東
方正教会やプロテスタントの関係者も参加した。
バチカンは会合について「教義面での検討であり、ユダヤ人迫害の史実まで踏み込ん
で議論する訳ではない」と述べているが、社会に大きな影響を与えてきたカトリック教
会の反ユダヤ主義が初めてバチカン自身の手で明らかにされることになる。
パウロ2世は2000年にエルサレム訪問を予定している。その前に、2000年に
わたるカトリックの反ユダヤ主義を公式に謝罪するとの観測が強まっており、今会合は
そのためのバチカンの統一見解を準備することになる。
先月、フランスのカトリック教会は第二次大戦中、ナチのユダヤ人迫害を黙認したこ
とを正式に謝罪したが、これもバチカンのユダヤ人との関係再検討の一環とみられてい
る。
[毎日10月31日] ( 1997-10-31 10:45 )
◎反ユダヤ主義の過ち認める バチカン神学者 共同通信 10/31 06:42
【ローマ30日共同】バチカンで30日、キリスト教の反ユダヤ
主義を検証するシンポジウムが始まった。バチカンの神学者ジョル
ジュ・コティエ氏が基調講演で「キリスト教にもともと存在したユ
ダヤ人への偏見がナチスの時代、ユダヤ人迫害を助長した」とキリ
スト教の過ちを認めた。
シンポジウムは、西暦2000年のキリスト生誕2000年祭を
前にキリスト教史における反ユダヤ主義を検証するのが狙いで、バ
チカンは同年までに公式文書を発表する意向。コティエ氏はローマ
法王ヨハネ・パウロ2世に極めて近い神学者とされ、ユダヤ人迫害
に関する今後の法王の発言が注目される。
キリスト教の教えでは、元々ユダヤ教徒であったキリストが新宗
教・キリスト教を興したため、ユダヤ人がキリストを迫害し十字架
に追いやったとされてきた。
現法王は「ユダヤ教はキリスト教の兄である」などと発言してい
るが、バチカンはこれまでのところ、ユダヤ人迫害黙認の公式謝罪
はしていない。
(了)
[共同10月31日] ( 1997-10-31 06:42 )