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回答先: オウム地下組織の犯行か?日刊ゲンダイ8/27 投稿者 一刀斎 日時 1999 年 8 月 28 日 02:00:14:
女子大生拉致事件
「オウム犯行説」で呟かれる不気味な動機
狂信的な麻原信者の妄動という見方
松本サリン事件で犠牲となった阿部裕太さんの妹の女子大生(19)が半日間に一
わたって何者かに拉致された事件は、その後の調べで、用意周到に計画された組
織的犯行との見方が強まっている。ますます、オウムに対する疑惑は膨らむばか
りだが、だとすると、犯行の狙い、動機は何なのか。このところ活動を活発化さ
せているオウムだけに、〃不気昧な兆候〃との見方も広がっている。
千葉県警習志野署の特別捜査班はきのう(26日)早朝から女子大生の自宅周辺を
実況見分するとともに、女子大生本人からも本格的な事情聴取を開始した。その
結果、新たに分かった事実はこうだ。
「女子大生は今年6月、大学のエレベーター内で男から〃裁判をやめろ〃と脅迫
されていますが、このとき、男は〃オウムの者だ〃と名乗ったといいます。ま
た、その後も通学中に不審な男から尾行されたり、写真を握られていたことが分
かった。さらに、拉致された車内で、犯人は携帯電話でだれかと連絡を取り合っ
ていたようで、〃うまく連れ出した〃などとしゃぺっていた。その後、携帯電話
の連絡で、突然、車内から解放されたといいます。エレベーターの一体以来、女
子大生には警察の警護がついており、犯行は夏休みで警護が中断した一瞬のスキ
をついた計画的なものだった。捜査関係者の間では、周到に準備された組織的犯
行との見方が強まっています」(捜査事情通)
だとすると、ますます「オウムが怪しい」となるのだが、もし、オウムの犯行だ
とすると、狙いは何か。再び反社会的な犯行を繰り返す恐れはないのか。そこが
最大の関心事だ。松本サリン事件被害者弁護団の紀藤正樹氏はこう言う。
「もちろん、今の段階でオウムの仕業と断定することはできません。しかし、
真っ先に疑われるオウムがやるわけがないという見方は違います。オウムは各地
で反対運動に直面しており、精神的に追いつめられ、活動を活発化させている。
オウム排除の動きに対する抵抗、脅しのためだとすれば、十分動機になります」
女子大生の父親・和義さんは、松本サリン事件の損害賠償裁判の原告の中心的存
在で、ストレートに「裁判つぶしが目的」との見方もある。この裁判でサリン事
件の被害者は麻原や実行犯ら10人を訴えているが、麻原以外の裁判は解決して
おり、麻原の審理だけが残されているのだ。「そのため、教団内部の一部麻原信
奉者が先鋭化し、動いたのではないか、という見方です。いまだに教団内部での
麻原の地位は絶対で、教団幹部だった中川智正は裁判で〃麻原側近の幹部が間
違った情報を流し、その結果、教祖が被害妄想になった〃と証言している。オウ
ムの中には〃麻原は悪くない〃という信者がゴマンといるのです。そうした狂信
的な信者の申で〃跳ねっ返り〃が後先考えずにやったんじゃないか。捜査幹部の
間ではこんな見方も広がっています」。(捜査関係者)
オウムウオッチャーの法曹関係者が言う。「オウムは今も会社登記の虚偽記載や
名前を偽った入居など、反社会的な言動を操り返している。教団は暴力的な活動
はしないというが、教団が信者全体を掌握しているわけでもなく、いまだに逃走
中の信者もいる。住民、自治体が一体となったオウム排斥運動が盛り上がってい
るだけに、一部信者の暴走は十二分にあり得ます」
今回の事件がオウムの犯行かどうかは捜査の行方を待つとして、オウム事件は決
して終わったわけではないのである。